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米国客1.8倍・宿泊客の57%が訪日 箱根・金乃竹が国籍多様化で売上増

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箱根で旅館などを展開する金乃竹は3月25日、2025年度上半期(2025年9月~2026年2月)の業績を発表した。売上高は約12.63億円(前年比2.8%増)、宿泊人数は約2万人(同7.7%増)といずれも前年を上回り、宿泊客に占めるインバウンド比率は57%と前年同期の46%から大きく上昇し、訪日需要の取り込みが堅調。国籍の多様化と高付加価値戦略が、安定した集客と売上の伸長につながった。

米国客が1.8倍、欧米中心の構造が強化

国籍別では、米国からの宿泊客が約5,500人と前年の約3,000人から1.8倍に増加。オーストラリアや英国など欧米市場も堅調に推移し、中国市場の変動に左右されにくい集客構造が強まった。

背景には、日本文化体験を取り入れた滞在型コンテンツの充実がある。茶道や着付けなどを宿泊と一体で提供するプログラムのほか、ヴィーガン対応の懐石料理など「食の多様性」に対応した取り組みも評価されている。

同社は、こうした体験が欧米の富裕層を中心とした個人旅行者のニーズと高い親和性を持つと分析する。

春節は日米韓が牽引、売上23%増

2026年の春節期間では、中国市場の伸びが鈍化する一方、日本・米国・韓国が需要を牽引。売上高は前年比23%増、予約人数は同34.8%増と大幅な伸びを記録した。

特に米国市場は売上が約2.4倍と大きく伸長し、韓国市場もシェアを拡大するなど、アジアと欧米のバランス型の需要構造が鮮明となった。

宿泊転換で売上2倍超、「滞在型」ニーズ捉える

施設別では、「金乃竹 茶寮」が最も高い成長を示した。2025年に日帰り専門から宿泊対応へ業態転換したことで、売上は前年同期比で2倍超に拡大。「箱根に滞在してゆっくり楽しみたい」という需要を取り込み、客単価と稼働率の双方が向上した。

高付加価値×多国籍で安定成長へ

同社は今後について、国内需要と多様化するインバウンド需要の双方を取り込むことで、安定した成長を目指す方針。箱根の自然や温泉文化を活かした滞在型コンテンツの拡充に加え、新規事業にも取り組み、宿泊にとどまらない価値創出を進める。

訪日客数が過去最高を更新する中、国籍の分散と体験価値の向上を両立する戦略が、観光地における持続的成長のモデルとなりそうだ。

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