気仙沼大島グリーンマルシェは4月5日、気仙沼市大島のウェルカムターミナルで、主催者の佐藤由美子さんに開始から1年の取り組みと成果を聞いた。空きテナント化で販売の場を失った地域事業者の受け皿として毎週日曜日の開催を続け、島内外から出店者と来場者が集まる交流拠点へと成長している。

空きテナントから始まった挑戦
きっかけは、管理者不在により売り場が失われた現実だった。由美子さんは「このままでは続けられない」という危機感から、自ら手を挙げてマルシェの立ち上げを決めた。片付けられた空間を目にしたときの寂しさが、行動の原点となった。「今できることは何か」と問い続け、できることをすべて積み重ねて初回開催にこぎつけた。当日は想像以上の来場があり、安堵とともにこみ上げるものがあったと振り返る。個人で続けてきた活動に、仲間とともに取り組む手応えが加わった瞬間だった。
支え合いが生むマルシェの価値
運営を続ける中で、組合や出店者との関係性が深まり、団結力が高まった。由美子さんは、島の人々の特徴として「自分よりも誰かのために動く気質がある」と語る。会場では、不在の出店者に代わって会計を担うなど、自然な助け合いの光景が広がる。安心感のある空気が来場者にも伝わり、居心地のよさがマルシェの魅力となっている。
島内外をつなぐ交流拠点へ

現在は島民だけでなく、気仙沼市内外からの出店者も増え、新たな交流が生まれている。島のお母さんたちが作る食事や弁当、旬の野菜や海産物が並び、地域の暮らしがそのまま体験できる場になっている。毎週の継続は容易ではないが、1周年を迎えたマルシェは多くの来場者でにぎわい、挑戦が地域の輪を広げたことを示した。
個人の想いが地域を動かす
由美子さんは4人の母として子育てをしながら、「障害をもつ子どもたちの働く場をつくりたい」という目標を掲げ、「食べたときの感動を引き出すお菓子yumi.yell」を立ち上げた。個人の想いから始まった行動が、地域の課題解決と新たな価値創出につながっている。大島グリーンマルシェは、その象徴的な取り組みの一つだ。人の力がつながることで生まれる場の可能性を体現するこのマルシェは、訪れる人に新たな旅のきっかけを与えている。