英紙ザ・アート・ニューズペーパーは3月31日、2025年の世界の主要博物館・美術館来館者数ランキングを発表した。上位100館の合計来館者数は2億人を超え、コロナ禍前の2019年(約2億3000万人)には及ばないものの、2020年の約5400万人から大きく回復した。
調査では、新設館の人気が目立つ一方、欧米の一部の伝統的な美術館では回復の遅れもみられ、地域や施設による差が広がっている。
ロンドンで2024年に開館した「V&Aイースト・ストアハウス」は月平均約6万人を集めるなど好調な滑り出しを見せ、中国でも同年開館の上海博物館東館が約460万人を集めるなど、新設施設への関心の高さが浮き彫りとなった。
ランキングでは、フランス・パリのルーヴル美術館(約900万人)が首位を維持し、イタリアのバチカン美術館(約690万人)、英国の大英博物館(約640万人)、米ニューヨークのメトロポリタン美術館(約600万人)、フィレンツェのウフィツィ美術館(約530万人)が続いた。
アジアでは中国・上海博物館東館が約460万人と大きく伸長し、既存館と合わせると700万人規模に達した。韓国では国立中央博物館が約650万人と前年比70%増と急増し、世界的にも大幅な伸びとなった。
日本では、東京国立博物館(トーハク)が約257万人で23位、チームラボプラネッツ TOKYO DMMが251万人で24位、東京都美術館が約171万人で41位、森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレスが169万人で42位、国立西洋美術館が約165万人で43位だった。東京都美術館が前年比14%減となった一方で、国立西洋美術館はモネの「睡蓮」展などの影響で前年比20%増となるなど、明暗が分かれた。
欧州ではスペインのプラド美術館が初めて350万人を突破した一方、ロンドンのナショナル・ギャラリーは約420万人と回復傾向にあるものの、2019年比では依然3割減の水準にとどまった。英国ではテート各館も来館者数がコロナ前を下回る状況が続いている。
米国ではニューヨークのメトロポリタン美術館が約600万人と西半球で最多を維持。ロサンゼルス周辺の美術館は山火事の影響で一部減少したが、全体としては横ばい圏で推移した。
同紙は、2025年の動向について「美術館人気は回復基調にあるが、地域差が拡大している」と分析。アジアや南米での来館者増加と、新設施設への関心の高さが今後の動向を左右するとしている。