学び・つながる観光産業メディア

これからの多言語発信は、自動翻訳をうまく使いこなして「T型発信」を

コメント

 QR決済やタッチ決済をはじめ、コロナを経て観光のデジタル化が一気に進み、都内のラーメン屋や居酒屋で、コロナ前にはあまり見なかった訪日客の光景をよく見るようになりました。Google翻訳やiPhoneに標準搭載されている翻訳アプリをかざして、リアルタイムに日本語のメニューや張り紙を翻訳して注文しているのです。

 私たちは、台湾や香港、タイやアメリカを中心に月間300万人を越える読者のいる「MATCHA」というWebサイトを10言語で運営しています。これまで作ってきた記事は合計で20,000を越え、すべては自社の翻訳チームが翻訳をしてきました。

 しかし、ChatGPTのような生成系AIも台頭し、自動翻訳が当たり前になってきた今、コンテンツの質と生産性というテーマにはいつも悩まされます。

自動翻訳であろうと、翻訳されていることがまず大事

 もちろん、現時点の自動翻訳は完璧ではないはず。それでも、観光客にとっては翻訳されていないよりはマシです。

 少し調べてみると、実は日本という国は、オンライン翻訳ツールを日常的に使う人の割合が最も低い国であるというデータがありました。世界の人々は、もっと当たり前のように自動翻訳を使って外国語のソースを取りに行っているのです。

出典:https://datareportal.com/ Digital 2023 Global Overview Report p.86

 さらに、MATCHAの読者に調査をしてみると、観光情報という点において「翻訳の精度の高さ」よりも、「情報が最新で正確である」ことの方がはるかに大事であるということがわかりました。

齋藤 慎之介
株式会社MATCHA 取締役COO

 つまり、翻訳の精度以前に、本当に求められている情報を、タイムリーかつ網羅的に多言語化することの方が優先度が高い。それができていないことで、訪日客に知ってもらうための機会損失が起こってしまうのです。

多言語での情報発信は、「T型発信」を

 T型人材という言葉がありますが、私たちはT型発信を提唱しています。T型発信は、「わかればいい情報」はとにかく網羅的に翻訳されている状態を作ることが最優先と考え(Tの横)、その中でニーズの高い情報とターゲットがデータを元に明確になったら、はじめてお金と時間をかけて、より精度が高く深度の深いストーリー性のあるコンテンツに育てていく(Tの縦)という考え方です。

 そこで、Tの横軸では自動翻訳をうまく活用するのです。自動翻訳で一気に網羅的に多言語化を実現し、人の手を入れるのは縦軸とする2段階の戦略が必要です。

無料で5言語に多言語化ができる、MATCHA Contents Manager(MCM)

齋藤 慎之介
株式会社MATCHA 取締役COO

 私たちは2022年10月に、T型発信に基づいて「MATCHA Contents Manager(MCM)」という新たなサービスをスタートしました。MCMを使えば、月間300万人近くのアクセスがあるMATCHAに、多言語で無制限に情報を投稿することができます。記事やモデルコース、スポットの情報などを日本語で作れば、あっという間に5言語に翻訳されて世界に届けることができるのです。

 同時に、これまで通りネイティブの取材や翻訳もオプションで用意することによって、T型発信を実現し、従来の多言語サイト運営を変えるサービスとして、2023年8月現在で、約180の自治体・観光協会・DMO・観光事業者の方々に導入をいただいております。

 現在、1年間無料で使っていただけるMCM Freeというプランを開始しています。最初はなるべく時間と予算をかけずに、インバウンドに向けた情報発信をスタートさせたい方におすすめです。ご興味があれば、お気軽に以下のフォームよりアカウント開設をしてみてください。

https://onl.bz/mEZydgR

 次回は、MCMの実際の活用事例や、MATCHAのデータから紐解くインバウンド向けの情報発信のあり方についてまとめていきたいと思います。

寄稿者:齋藤慎之介(さいとう・しんのすけ)㈱MATCHA 取締役COO

/
/

会員登録をして記事にコメントをしてみましょう

おすすめ記事

/
/
/
/
/