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「昭和喪失」 ~あと数年も経つと「遺産」となる~ そのような時代を迎える前に 第9章 東京都渋谷区~JR東日本・渋谷駅旧1番線ホーム~

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第9章 東京都渋谷区~JR東日本・渋谷駅旧1番線ホーム~

 1885年3月に日本鉄道が赤羽から品川間に新設した路線上に、渋谷駅は開業する。その当時、東京郊外である渋谷の地は、田園風景が広がっていたという。今の若者の町とは隔世の感がある。

 これまで山手線外回りと内回りのホームは分割されていた。2023年1月に、一つの島式ホームに集約される。その結果、外回りの1番線は廃止されることとなった。そして、長い年月の迷路のような建設工事は、「行く度に通路が変わり、目的地に着くことができない」といったクレームが少なくなかった。

渋谷ダンジョンと呼ばれる迷宮

 2027年に駅の上に新たな複合ビルが完成すると、渋谷駅周辺の再開発も終了する。それは、山手線の中でも最大の迷宮と言われる渋谷駅が変わる瞬間である。今夏、旧1番線ホームの恵比寿寄りは、壁が取り払われ、西側に位置する「フクラス」や「セルリアンタワー」が丸見え。そして、手前には、その当時の階段も使われないまま、残されている。

 鉄道史上、最大の難工事と言われた渋谷駅の工事、利用客の利便性は高くなるのであろう。しかし、渋谷ダンジョンと呼ばれる「不思議」建築も、早晩、終止符を打つことになるであろう。

 また一つ、昭和が喪失していく。

(これまでの寄稿は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=181

寄稿者 観光情報総合研究所 夢雨/代表

(次のページには、渋谷駅・旧1番線ホームの様子をご覧いただけます)

撮影・取材 2023年8月25日~27日

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