関東運輸局は8月28、29日、欧米豪を中心としたインバウンド誘客促進企画として、「本所七不思議英語講談会」を東京・両国の回向院で開いた。日本人のほか、外国人観光客が約20人来場。単に英語にて講談を行うだけでなく、三味線の演奏や演者による演技を講談中に取り入れ、講談の雰囲気を盛り上げた。関東運輸局の岡村清二観光部長は「今回の英語講談会をきっかけに、他地域でも日本の歴史や伝統芸能を多言語で伝える企画を勧め、インバウンド誘客へとつなげたい」と話す。
伝説や逸話をコンテンツとした地域誘客促進企画の調査業務の一環
英語講談会は、伝説や逸話をコンテンツとした地域誘客促進企画の調査業務の一環として実施。東京都墨田区にて語り継がれている本所七不思議を英語で講談するインバウンド向けツアーを江戸街道プロジェクト関連事業として企画・実施し、効果を検証する事業として行われた。講談師に神田ようかん氏、三味線奏者に鶴澤弥々氏らが参加し、両日で計4講演を開催した。参加費は無料で、企画や募集、運営は、墨田区観光協会などの協力を得て行われた。
演目は、東京・本所(墨田区)に江戸時代ころから伝承される奇談・怪談「本所七不思議」から「置いてけ堀」「足洗屋敷」を披露し。日本語固有の地名や役職(旗本など)は、解説を交えながら紹介した。
外国人の参加者からは、「日本の文化を間近で見られ、改めて素晴らしいと感じた」「ホテルで案内を見て立ち寄ったが、内容が素晴らしく、本当にラッキーだった」「英語で表現してもらえると理解が深まる」などの声が上がった。
墨田区観光協会の森山育子理事長は、「墨田区内のホテルなど施設に案内を呼び掛けたが、多くから協力を得られた。墨田区ではスカイツリーや両国国技館への来訪が多いが、回遊につながっていない。英語で楽しめるコンテンツが増えることで、回遊につながる」と話した。岡村部長は「今回は、夕方の時間帯よりも夜の時間帯の方が集客が良かった。日本の歴史・文化への興味関心、理解の促進と共に、ナイトタイムでの誘客の可能性が広がる」と述べた。