中国向けの海外プロモーションや訪日誘客を支援するインタセクト・コミュニケーションズ(東京都千代田区)は、中国の大型連休「国慶節」(10月1~7日)を前に、中国人の海外旅行に関する調査結果をまとめた。訪日予定者では、東京や大阪などをほぼ経由するだけで地方都市やリゾート地を主目的とする旅行が24.6%となり、今年の春節の12.4%からほぼ倍増した。
調査は8月17~20日、中国10都市の5471人を対象にWeChatを使って実施。このうち国慶節に海外旅行を予定する2412人に行き先を尋ねたところ、日本は14.1%で5位だった。韓国20.4%、欧州17.7%、東南アジア17.2%、オーストラリア15.2%に続いた。
日本は2025年の国慶節の1位(22.6%)から、2026年春節には3位(15.0%)、今回5位(14.1%)へ順位を落とした。ただ、インタセクトの訪日プロモーション担当者、辰巳亮氏は、春節からの低下は0.9ポイントにとどまったとして、「日本の人気が急速に失われているわけではない」とみる。
訪日予定の341人のうち62.8%は訪日経験者だった。旅行先は東京、富士山、京都、大阪など「ゴールデンルートのみ」が49.0%で最多。一方、地方都市・リゾート地をメインにする旅行は春節の12.4%から24.6%に増えた。ゴールデンルートと地方の双方を巡る旅行は48.5%から26.4%に減り、都市部中心と地方特化型への二極化がみられた。
日本で特に予算をかけたい体験では「地方の高級温泉旅館」が45.2%でトップ。「アニメ・ドラマの聖地巡礼や限定イベント」36.7%、「地方の祭事・季節のイベント」30.5%と続き、百貨店・免税店での買い物は18.5%だった。
有名観光地以外で体験したい日本の日常では、「地元の食堂、居酒屋、喫茶店」が56.0%、「商店街や住宅街、路地の散策」が50.1%、「スーパー、コンビニ、商店、市場での買い物」が40.8%となった。
辰巳氏は、地域ならではの文化や日常を楽しむ「暮らすような旅」への需要が広がっていると分析。「地方への関心の高まりは、オーバーツーリズムの緩和だけでなく、これまで中国人観光客との接点が少なかった地域にとっても新たな機会になる」としている。