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歩行支援で観光参加を後押し東京科学大学、雨の高尾山でロボット活用ツアー

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東京科学大学は9月29日、歩行アシストロボット「Walk-Mate(ウォークメイト)」を活用した観光ツアーを東京都八王子市の高尾山で開催した。参加者はロボットを装着し、ガイドの案内を受けながら山頂を目指したほか、薬王院の御護摩修行や精進料理を体験。歩行支援技術を観光に取り入れ、足腰に不安のある人の観光参加を後押しする。

歩くリズムに寄り添う「Walk-Mate」

集合場所の高尾599ミュージアムでは、参加者がロボットを装着し、歩行前の調整を行った。腰のベルトを固定して股関節の位置にモーターを合わせ、大腿部のベルトを調整。足踏みをしながら装着感を確かめた。Walk-Mateは、装着者の歩行リズムとロボットの動きを同調させて歩行を支援する装着型ロボット。特徴は、人とロボットが歩く「間」を合わせる仕組みにある。ロボットが一方的に動きを補助するのではなく、装着者の歩くリズムに寄り添いながら、ともに歩行をつくっていく「共創」を目指した歩行支援技術だ。電源を入れて歩き始めると、脚を前へ運ぶ動きにアシストが加わる。装着時には、膝がいつもより高く上がるような感覚もあった。

ケーブルカーで中腹へ、男坂を経て山頂に

一行はケーブルカーで高尾山駅へ移動した後、1号路を歩いて男坂へ。ガイドの案内を受けながら石段を上り、薬王院を経て山頂に到達した。当日は傘を差しながらの山歩きとなったが、雨に煙る森や山並みは、晴天時とは異なる表情を見せた。参加者の一人は「インターネットでこの高尾山ロボット観光ツアーを見つけた。ロボットというところに魅力を感じた」と参加のきっかけを語った。歩行アシストについては「階段のときも楽だよね。電動自転車に乗った人の気分になった」と話した。霧に包まれた景色にも「幻想的なもやは今日しか見られない」と話し、雨の日ならではの高尾山を楽しんでいた。

歩行支援を、自然や文化に触れる機会へ

今回のツアーには、山頂を目指す行程に加え、薬王院での御護摩修行や精進料理の体験も組み込まれた。歩行アシスト技術の体験と、高尾山の自然・歴史・文化を味わう観光を組み合わせた構成だ。歩行アシストを観光に取り入れることで、移動への不安を軽減し、その先にある景色や文化、人との時間を楽しむ機会につなげることを目指している。今回の体験では、機器の装着に加え、携行品や歩行ルートなど、ツアー全体の環境を整えることの重要性も見えてきた。腰の周辺に機器を装着するため、リュックの大きさや背負い方など、参加者が快適に歩ける環境づくりも今後の課題となる。

歩行を支え、外出への「心のバリア」を取り除く

東京科学大学の三宅美博氏は、歩行支援の意義を、身体的な負担の軽減に加え、外出への心理的な不安を和らげることにも見いだしている。高齢者にとって、歩くことへの不安は身体の問題だけにとどまらない。「転倒して骨折でもしたら」という思いが、外出そのものを控えるきっかけになることもある。三宅氏は、歩行を支える技術によって身体的な不安を軽減するとともに、こうした「心のバリア」を取り除いていくことが重要だと考えている。安心して歩ける、外に出られるという感覚を取り戻すことは、日々の活動や社会とのつながりを広げることにもつながる。今回のツアーは、歩行を支える技術を、自然や文化に触れ、人と時間を共にする機会へと結び付ける取り組みでもある。

高尾山・神楽坂で宿泊付きツアーも予定

同プロジェクトは、高尾山の山歩きに加え、坂道や路地の多い神楽坂での街歩きにも取り組んでいる。東京科学大学と旅行会社、観光関連団体などが連携し、歩行支援技術を観光の現場へ導入することで、新たなアクセシブル・ツーリズムの展開を目指す。高尾山、神楽坂では今後、宿泊を伴うツアーも予定している。今回の体験で得られた気づきを、機器の装着や携行品の案内など、より快適なツアーづくりに生かしていく。歩行支援ロボットを活用し、移動への不安を軽減することで、観光に参加する選択肢を広げる。人の歩くリズムにロボットが寄り添い、共に歩行をつくる「Walk-Mate」は、歩行支援技術と観光を結び付ける新たな取り組みとして注目を集めている。

参考:東京科学大学「ロボット×街歩きによるバリアフリー観光」特設サイト

ツアー詳細:スカイツアーズ

投稿者=丹羽あゆみ(にわ・あゆみ)ツーリズムメディアサービス特任記者、東京山側DMC 地域創生マチヅクリ事業部

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