終戦後、海外から約66万人の引揚者を迎えた京都府舞鶴市は10月10日、引揚記念公園で「舞鶴引き揚げの日 平和祈念式典」を開く。(画像は引揚船「興安丸」=舞鶴引上記念館HP)
今年は、シベリア抑留からの帰還者を乗せた引揚船が舞鶴港に初めて入港して80年の節目。収容所で抑留者が食べた黒パンや、帰還した人々を舞鶴市民がもてなしたふかし芋を振る舞うなど、戦争と引き揚げの歴史を伝える催しを行う。
舞鶴港には1945年10月7日、韓国・釜山から約2100人を乗せた引揚第一船「雲仙丸」が入港した。1950年からは国内唯一の引揚港となり、1958年に最終船を迎えるまで13年間に延べ346隻が入港。約66万人が帰国し、このうち約46万人がシベリア抑留からの帰還者だった。約1万6000柱の遺骨も舞鶴に帰還した。
市は第一船が入港した10月7日を2018年に条例で「舞鶴引き揚げの日」と定め、引き揚げとシベリア抑留の史実、帰還者を迎えた市民の歴史を次世代に伝えている。
10日の式典は午後2時から。引揚船「興安丸」の時鐘が鳴る中で黙とうし、献茶、献花、地元の小中学生による「平和へのメッセージ」、舞鶴子どもコーラスの合唱などを行う。
午後1時からは、シベリアのラーゲリ(強制収容所)で抑留者の主食だった固く酸味の強い黒パンと、帰国した引揚者を市民が当時の厳しい食糧事情の中で振る舞ったふかし芋を無料で提供する。午後1時30分からは先着100人に抹茶と菓子を振る舞う。
同日は舞鶴引揚記念館を無料開放する。館内では午後3時15分から、今年8月にウズベキスタンとキルギスを訪れた高校生、大学生の「学生語り部」6人が、日本人抑留者に関係する施設の訪問や現地の若者との交流について報告する。
市立小中学校全25校でも10月1~16日、1958年に舞鶴地方引揚援護局で引揚者に提供された夕食を参考にした「舞鶴引き揚げ給食」を順次提供し、食を通じて地域の歴史を次世代へ伝えている。