楽天グループ(楽天)は10月3日、農林水産省(農水省)が推進する「農泊」オリジナルアニメ動画を公開した。動画は、声優の梶裕貴さんと石川由依さんが登場人物の声を担当し、「楽天トラベル」特設ページで公開している(https://youtu.be/lHCixafccA8)。農泊の主に若年層への認知向上や利用を促進する。同日に開かれた「農泊1日アンバサダー」就任式には、就任した梶さんが登壇。梶さんは「農産物が育つ過程を聞くこと以上に、見ることで感じられることがある。それが農泊の魅力であり、体感してほしい」と話した。
農泊は、農水省が推進する農山漁村に宿泊しながら、その地域の食材を味わったり、農林漁業や伝統工芸などの自然・文化を体験したり、さらには地域の人々との交流を楽しんだりする「農山漁村滞在型旅行」のこと。
動画では、梶さんが声優を担当する主人公が、石川さんが声を担当する登場人物に対して、自らの農泊体験を紹介。日常から離れて、自然とのふれあいや地元の人との交流が楽しめる「農泊」の魅力を、アニメ動画を通じて味わえる内容となっている。
同社は、2020年から農水省が推進する農泊のプロモーションに取り組んでいる。これまでに、楽天トラベル上での旅行先の提案や、楽天の各サービスにおける消費動向分析データを元にしたプロモーションなどを通じて、農泊の魅力を発信している。
このほか、本年度の取り組みとして、楽天トラベルで公開している特設ページ「のんびり農泊」で、山間や海岸沿いなど日本の原風景の中にたたずむ一棟貸しの宿や、地元の人々が育んできたローカルフード、地域で育まれた自然体験や農業体験などを紹介している。
また、東京カメラ部とタイアップしたユーザー参加型のフォトコンテストも開催しており、「心に残る日本の農山漁村の魅力」をテーマに農泊体験の楽しさが伝わる写真を募集し、1300以上の応募作品から特設サイト上で結果を公開している。
梶裕貴さん「聞く以上に見て感じる体験を農泊で実現」
同日に開かれた発表会では、梶さんと鈴木憲和農林水産副大臣が登壇。農泊の魅力について、梶さんは「農産品がどういった過程を踏んで出来上がっているかは、聞く以上に見て体験することで感じられることが広がる。これが農泊の醍醐味だ」と話した。鈴木副大臣は「新たに社会人となった人は、すぐには会社や仕事に慣れず、気持ちが疲れているように感じる。動画では、都会の疲れを癒やす空間として農泊があることを伝えている。農山漁村ならではの個性ある人たちとの交流も魅力だ。癒やしの意外な視点として農泊を体感してほしい」とPRした。
お薦めしたい農泊体験については、鈴木副大臣が新潟県寺泊を紹介。「春夏秋冬のいつでも朝食においしい海産物が味わえる。無人のホテルでの滞在では、時を忘れられる」と農山漁村ならではの開放感ある空間の魅力を伝えた。梶さんは、祖母が出身という山形県白鷹町を挙げ、「山形は、さくらんぼ以外にも魅力はいっぱいある。大正時代からの紅花染め体験はぜひ体験してほしい」と述べた。
このほか、農泊を体験してみたい場所として、梶さんは自らが声優を務めたアニメ「進撃の巨人」の作者である書いた諌山創氏の故郷である大分県日田市を挙げた。梶さんは「作品を作った諌山先生が育った景色を見て、感じたい。今年で進撃の巨人は終わるが、恩返しも含めて訪れたい」と語った。