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なぜ東京山側探究型ツーリズムが都市と地方の課題を解決し、四方、五方良しのサステナブルな地域が作れるのか

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 私たちは東京の西の方、東京山側にある東京最後の清流=秋川渓谷というエリアで、毎日、川で泳いだり、山に登ったり、生きものを観察したり、そして川のゴミを拾ったりしながら、主に都心のファミリー層を対象に、探究型自然学習スクールを運営している地域創生団体です。

 今回は、「なぜ、東京山側の探究型自然学習、サステナブルツーリズムで、都市と地方の課題解決ができて、四方良し、五方良しのサステナブルな地域がつくれるのか」についてお話します。

「東京山側」では少子高齢化が深刻化

 この記事をご覧の皆様は、現代日本の地方が抱える課題の多くは、少子高齢化に伴う人口減少に起因していることをご存じだと思いますが、東京都内においても私たちが活動している東京山側は例外ではなく、少子高齢化が地域にとても深刻な影響を与えています。

 地域の基幹産業であった林業が衰退して、地域に産業と呼べるものがなくなったために、現役世代は都心に通勤するようになりました。そしてもっと通勤が楽で、買い物など生活しやすい都市部へ引っ越してしまったため、地域の若者が減り、高齢者ばかりの世帯が目立つようになりました。 幾つかの小学校は十数年前に廃校になり、今は体験研修センター等にリノベーションされて利活用されています。

 地域の農地についても、お米は作るより買った方が楽なので、田んぼが放置されて水が張れなくなって、希少な生物が産卵する環境が減少しています。逆に田畑が草ぼうぼうになって、昔は居なかったイノシシやサル、シカなどが山から下りて、畑の作物に被害を与えるようになってしまいました。いわゆる「里山」と呼ばれる地域には、人が手を加えないと維持できない自然がたくさんあります。また、治水など農地の多面的機能は大きく低下しています。

 若者が地域から居なくなり、地主である高齢者は農地を維持できずに地域景観を損ねる宅地開発や耕作放棄地となり、絶滅危惧種の住処がさらに減少したり、逆に大型哺乳類が集落に降りてきて悪さをしたりと多くの課題を抱えています。

「東京山側」の風景

都心から1時間、2年目で年間1.5万人誘致する「探究型自然学習スクール」

 では、逆に都市に住む皆さんの悩み、課題って何でしょうか?これは人それぞれ価値観が異なるので、一概には言えませんが、特に都心部にお住いの子育て世帯にとって、本物の自然やリアルな生きものに触れ合える体験ができる環境が無いということが一つ挙げられると思います。

 われわれはここに着目し、都心から1時間程度の東京山側の立地を活かして、探究型自然学習スクールを開催して、2年目にして年間1.5万人以上を誘致しています。田んぼに田植えや稲刈りなどの体験をしに都心から人々が来てくれることで、地域住民は農地を健全に維持することが可能になります。そうすることで、水辺に棲む生きものたちの生息環境が維持されます。また、探究型自然学習やサステナブルツーリズムといった新たな産業を作ることで、探究学習の講師やガイドなどが仕事になり、お陰で地域に若者が住み続けたり、都市部から移住したりすることができるようになります。

年間約1.5万人が訪れる探究型自然学習スクール

 自然を求めて、都市部から人々が体験しに来てくれればくれるほど、農地が復活し、生物の生存環境が維持され、若者の活躍する場所が増えていく「四方良し」、さらに海外のお客様に日本の地方の魅力を提供する「五方良し」の好循環が生まれるのです。

 さらに都心の方には災害発生時の防災拠点、緊急一時避難先となります。 日本全国で課題となっている人口減少問題を、「探究型自然学習」によって解決していく、壮大な社会実験を地域をあげて取り組んでいます。
「東京山側」への移住や 2 拠点生活、ワーケーション、投資先等、ご興味をお持ちの方はお早めにお越しください。

 文章では伝えきれない多くの気づきがあると思います。知ってるヒトしか来られないフロンティア、東京山側あきる野市の秋川渓谷で皆さまをお待ちしています。

 毎月開催するリバークリーン活動を通じて、20 組以上の移住や開業などの成果が出ています。さらに、こうした志が近い人たちがリアルに集まって、相互に応援するコミュニティが構築されて始めています。
 一緒に大きなチャレンジをしたい方は、いま、確実に「東京山側」をおススメします。

寄稿者 櫻澤裕樹(さくらざわ・ゆうき) (一社)FOURTH WELLNESS / みちくさの達人 サクちゃん

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