数年前に綾野剛さんが主演したドラマ「コウノドリ」
産科医・助産師・救命救急といった医療チーム。そこに関わるご家族や生まれてくる赤ちゃんも一緒に描かれ、 人々との関わりの中から、生と死をきちんと受け止め、未来を紡いでいく希望の見える作品でした。放映時には、いつも家内と一緒に毎回ボロ泣きしながら見ていたものです。
そのシリーズの中で、高橋メアリ-ジュンさんが「産後うつ」になってしまう役を演じた回がありました。
見ていても産後うつは痛々しく、居たたまれない思いを抱きながら見ていました。状況は全く違いますが、かつて家内も軽症うつ病を患ったこともあり、とても他人事と思えなかったのです。心の病気はなかなかまわりに理解されない、自分から言うのもつらいもの。自分でも気が付かない大きなストレスをためていることがあるのですね。
産後うつとは・・・
過日、ネットで「産後うつ」に関する東洋大学の中原教授のインタビューに行きつきました。何気なく読んでみると、驚きました。産後うつとは出産直後から1か月くらいの間と思っていたところ、数か月後にも何度か山があるのだと。
産後1カ月、3〜4カ月、7〜9カ月は、子育ての段階・環境に違いがあります。(産後うつの)数値がもっとも多い7〜9カ月は、子どもがハイハイをはじめ、動きが活発になる時期です。
(中略)
言い換えれば、思い通りにならない育児に自信を失い、『自分ひとりでは無理だ』と限界を感じる時期が、ちょうど7〜9カ月頃なのではないかと考えられます。(中原教授 談)
もう大丈夫だろうと周囲の関心が薄れはじめる、3~4か月目の孤立感
思い通りにならない我が子に自信を失う、7~9か月目の無力感
お母様以外の方はもちろん、お母様自身もそんな状況はご存じないのではないでしょうか。
私どもの宿は、赤ちゃん連れのお客様が6~7割を占めるウエルカムベビーの宿。たくさんの赤ちゃん連れのお客様からもご好評をいただいております。
育児ストレスの解消には・・・
先日いただいたアンケートには、「初めての育児に気持ちがふさぎ込んでしまった日々の中、夫が『結婚記念日だし旅行にいこうよ。赤ちゃんも一緒に泊まれる宿だよ』と予約してくれました。前日というより、旅行当日の朝も気分が晴れなかったのですが、
(中略)
1泊の宿泊でとても癒され、明日への子育てに勇気をもらい、背中を押してくださったように感じました。夢のような一日でした。本当にありがとうございました。」とお書きいただきました。
そんな中、ご到着されてから様子が気になるお母さんが時々いらっしゃいました。
お帰りになるまで全く表情の無いお顔のお母様。
ご主人の不手際に対してずっと声を荒らげ泣き叫んでいたお母様。
スタッフの何気ない言葉に激高されたお母様。
私たちも困惑したり、ハラハラしたりしておりました。
このインタビュー記事を読んで、もしかしたら出産直後ではないけれど、産後うつになりかけていらっしゃったのかな。そうでないと良いがと心配します。
頑張っているママにご褒美プラン 「子育てRelax」
私どもは赤ちゃん連れのご旅行に安心を提供する事を心がけて来ました。しかし、単なる気分転換の旅行では癒されぬお母様もいらっしゃる。そうなる前に何とかして差し上げられないか。
そんな思いで、育児に頑張っていらっしゃるお母様のための宿泊プランを考えてみました。保育資格のあるベビーシッターさんや子育てアドバイザーのカウンセリングサービスもご用意し、いかばかりでもお母様の育児ストレスを取り除けることで、親子ともども笑顔でいられるようになればと願っています。ささやかですが、多少なりとも社会貢献となれば幸いです。
(これまでの寄稿は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=171
(紋屋のホームページは、こちらです) https://www.monya.co.jp
寄稿者 高尾憲資(たかお・けんすけ) 季粋の宿 紋屋 代表取締役社長