2023年中間決算は221億円改善
エイチ・アイ・エス(HIS)は6月14日、2023年度中間決算(2022年11月1日~2023年4月23日)を発表した。純損益はレジャー需要の回復などから全セグメントが回復し、前年同期から221億200万円改善し、48億900万円の赤字。矢田素史社長は「グループの利益の8割を作る海外旅行は35%まで回復、13四半期ぶりに黒字化するなど長いトンネルを抜けつつある。7~9月はコロナ前の7割前後で推移しており、全体での黒字化も早期に実現する自信はある」と意気込んだ。今後は、パスポート獲得の動きを追い風にした海外旅行の需要獲得、旅行、ホテル事業でインバウンド需要の獲得が見込めることなどから、23年通期での黒字化達成を目指す。

夏場は海外旅行がコロナ前の7割まで回復
海外旅行は夏場には7割まで回復、コロナ前には2024年度に大方回復、25年度には同等に戻す見通し。債務については、事業好調であることから、銀行からの借り換えも含めて早期に返済を図る。コロナ禍で減った従業員数も今後増やしていく計画を披露した。
澤田最高顧問「ホテルは100まで伸ばす」
澤田秀夫取締役最高顧問は「現状は良くなっている。今はホテルを見ているが、45のホテルができ、黒字になっている。今後は50、60、100と伸ばしていきたい」と意欲を述べた。
ホテル、九州産交グループは黒字化
売上高は前年同期比50.3%増の1029億1300万円、営業利益は33億5800万円(前年同期は281億3000万円の赤字)、経常利益は35億6100万円の赤字(同281億1100万円の赤字)だった。旅行事業の売上高は同240%増と大きく伸長した。ホテル事業や九州産交グループは黒字に転換している。通期決算予測はコロナ禍の影響から未定としている。
取材 長木利通