学び・つながる観光産業メディア

東京再発見 第31章 隙間からひょっこりと~日比谷・東京タワー~

コメント

 東京は、日本を代表する観光都市だ。メジャーな場所は、国内外から数多くのお客さまがやってくる。昨今は、オーバーツーリズムと言われる。しかし、これは、地域住民不在の議論によって噴出している。渋谷区長が「来ないで欲しい」とメッセージを出すほど、大きな問題になっている事例も少なくない。

脇役、それは知られていない場所探し

新たなビルが建ち、より狭い隙間にひょっこりと
新たなビルが建ち、
より狭い隙間にひょっこりと

 『東京再発見』とは、東京のメジャーな観光地ではなく、脇役の観光地探しの旅である。これまで30ほどの観光地を紹介してきた。今回は、視点を変えると新たなことが見える事例を紹介していこうと思う。

 最近、隙間から顔を出す東京タワーやスカイツリーがバズっている。

 SNSに情報発信されると、次々にその場所を特定し数多くの人が、またSNSに発信する。その繰り返しによって、そこは一つの観光地として有名となっていくのだ。

 そして、実際に赴いてみると、WEB上だけで完結してしまうのは勿体ない光景が見えてくる。今宵は「隙間東京タワー」探し。久しぶりに夜景撮影に出向いてみた。

見えていたものが、見えなくなる日

 先般のオリンピック前後から、東京は高層ビルの建設ラッシュである。高さでは、2014年に開業した大阪のあべのハルカスを、昨年、麻布台ヒルズが越えた。325.4mの日本一の高さである。海抜から、その高さを計測すると東京タワーを抜いている。しかし、数年経つと東京駅周辺の常盤橋に新たなビルが建つ。そのため、麻布台ヒルズも首位の座を譲ることとなるのだ。

日比谷の内堀にも東京タワーが
日比谷の内堀にも東京タワーが

 このように、高層ビルが増えると、以前見えていた景色が見えなくなることもある。富士山しかり、東京スカイツリーもしかり。そして、見えなくなると住民訴訟などが起きる。結果として、国立市では、完成間近のマンションが壊されるという事例も出てきている。

 オリンピックのお陰(?)で、東京湾岸の景観が変わった。特に「豊洲ぐるり公園」あたりは、東京タワーとスカイツリーの見える隠れポジションとして有名となっている。高層マンションに明かりが灯り、その隙間にタワーが見える。誰が最初の発見したのか、わからない。しかし、SNSに発信されることによって、ここを目指してやってくる人が増えているのである。

灯りの漏れる旬感・・・感動はひとしお!

振り返るとパレスホテルと大手町のビル群
振り返るとパレスホテルと大手町のビル群

 さて、ここは日比谷のとある場所。有楽町から日比谷公園を抜けて、その歩道橋に登ってみると、ビル群の隙間に東京タワーが見えてくる。振り返ると、パレスホテルなどの皇居沿いのビル群も迫ってくる。これも圧巻。 やはり、灯りの漏れる旬感、素敵な時間を共有できることが嬉しい限りだ。

 師走のある日、澄み切った夜空とキラキラとした夜景は、とても満足いくもの。

 そして、日比谷のお堀沿いを抜け、行幸通りのイルミネーションに触れて、帰路に就いた。ここには、数多くのウェディング先撮りの方々が場所どりをしていた。

 観光は、平和であるからできること、誰もが主役になっていた。

(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8

取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長

行幸通りは、ウェディングの先撮りのメッカ
行幸通りは、ウェディングの先撮りのメッカ
師走を彩るイルミネーション
師走を彩るイルミネーション
行幸通り(皇居側)から東京駅の駅舎を
行幸通り(皇居側)から東京駅の駅舎を
/
/

会員登録をして記事にコメントをしてみましょう

おすすめ記事

/
/
/
/
/