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俯瞰するニッポン(その21) 輝き満ちる光の町~北九州市・皿倉山~

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 関門海峡が終わりを告げると、日本の近代史を牽引してきた北九州の工場地帯が見えてきます。一方、その真ん中に入り組んだ場所に洞海湾があり、町を二分しています。そして、そこには、赤い橋と南に広がる山々が見えてきます。

皿倉山を俯瞰する(左手に若戸大橋)
皿倉山を俯瞰する(左手に若戸大橋、洞海湾が町を二分している)

 さて、この山は、神功皇后の伝説が残る山としても知られています。皇后が下山する時、既に日が暮れていて「更に暮れたり」と言った伝わります。そのため、この一帯が「更暮山」「更暗山」と呼ばれました。転じて、皿倉山となり今につながっています。

光の町、ちりばめられた宝石たち

 また、この山は、複数の登山ルートが整備されています。しかし、ほとんどの観光客は、北側山麓の皿倉山ケーブルカーに乗り山に登ります。そして、9合目付近で山頂までのスロープカーに乗り換えて山頂に到達します。

皿倉山ケーブルカー(正面に洞海湾が見える)
皿倉山ケーブルカー(正面に洞海湾が見える)

 この山頂パノラマ展望台から視野角200度に広がる北九州市の夜景は「100億ドルの夜景」と称されるようになりました。それは、北九州市が「日本新三大夜景」の一つに選定されているからです。

(日本新三大夜景) https://jptop3.yakeikentei.jp/

工場夜景ブームにはじまり、皿倉山や高塔山公園、足立公園、門司港レトロ展望室など、地形を活かしたバリエーション豊かな夜景視点場の宝庫として知られている。
また、戸畑祇󠄀園大山笠や小倉イルミネーション、門司港ライトアップなど、夜間イベントの実施や光の景観創出も多い。
近年は既存資源を活用しながら新たな夜景資源を続々と生み出し、夜景観光において大きな進化を遂げた。
2018年には街のシンボルとして知られる若戸大橋ライトアップの整備を実施。
小倉城庭園では夜間照明整備に合わせて、日本初となる常設型の日本庭園ライティングショーが誕生している。
(一社)夜景観光コンベンションビューロー(日本新三大夜景HP)より

ナイトタイムエコノミー、広域連携の勧め

 このように、北九州市は、皿倉山だけでなく多岐に渡る夜景コンテンツが誕生しています。キーストーンとなる若戸大橋と関門橋という二つの橋梁のライトアップは、日本の近代化を映し出す鏡のようです。また、小倉城は、ライトアップだけではなく、さまざまなイベントも誕生させています。お城の中のカフェなどは、全国初の取り組みとも言えましょう。

皿倉山から遠賀川方面を望む
皿倉山から遠賀川方面を望む

 世界遺産あり、歴史文化ありと北九州には多岐に渡る観光コンテンツが存在します。特にナイトタイムエコノミーに関わるものは、光の町、そのものです。それ故、北九州市が中心となって、筑豊エリアや下関などの近隣市町村を巻き込んだ未来に向けた仕掛けに期待したいと考えるところです。

暮れゆく町の姿を・・・

皿倉山から若戸大橋方面を望む
皿倉山から若戸大橋方面を望む
皿倉山から関門橋方面を望む
皿倉山から関門橋方面を望む

寄稿者 観光情報総合研究所 夢雨/代表

(これまでの寄稿は、こちらから)https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=181

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