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東京・豊洲で空中レストランを体験した、地上40メートルでワインと夜景に息をのめ

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 ベルギー発の空中レストランが3月13日、東京・ウォーターフロントにオープンする。東京都江東区の「キラナガーデン豊洲」に期間限定で登場する「Dinner in the Sky」(ディナー・イン・ザ・スカイ)は、地上40メートルに吊り上げられたテーブルで食事を楽しむスリリングな体験を提供する。2月21日の内覧会に参加した。

「Dinner in the Sky」が日本初上陸

上っていく

 レストランは2006年にベルギーで誕生し、これまでロンドン、ドバイ、インド、ブラジルなど65カ国で行われてきた。現在はドバイ、マラケシュ、プーケットで営業している。

 東京の会場は東京・江東区の「豊洲ぐるり公園」の端、レインボーブリッジを望む屋内外バーベキューサイト「キラナガーデン豊洲」。ここに設置されたクレーンで、22席のカウンターテーブルと椅子が乗ったコンテナを地上40メートルまで吊り上げる。空中ではスタッフがロの字型のカウンター内から料理やドリンクを提供する。

 19時30分頃、遊園地の遊具に乗る時のようにスタッフに安全ベルトを付けてもらって出発。ゴンドラはゆっくりと浮上し、まずは5メートルのところでいったん停止する。ここで無理な人は降ろしてもらえるのかも知れない。

インフルエンサーの人たち

 ゴンドラは再び静かに上昇し地上40メートルで停止した。正面にライトアップされたレインボーブリッジ、右側には都心の灯りのついたビル群を眺めた。角の席だったからか椅子は90度回転することができて、別方向も眺められた。椅子を回転させると足もとの踏み板から足は空中に離れて、下をのぞき込むことができた。

 右側には豊洲運河と豊洲ぐるり公園、東京オリンピック2020で選手村として使われたマンション群「晴海フラッグ」を見下ろした。

 飲み物をオーダーし、白ワインで会食が始まった。試乗会の時間は約30分。通常営業では空中に約1時間滞在する。料理は短時間用で、本番の幾つかの種類が出された。しっかりと椅子に固定されていて、食事のために体を前に傾かることはできなかった。ここでは、いい姿勢で食事して、いい姿勢で飲み物を楽しむ。

 この日の内覧会は昼から数回行われていて、参加したのは最終回だった。テレビや新聞、といった古いメディアの人たちは早々に体験を終えたのか、同乗したほとんどの人が若いインフルエンサーの人たちだった。

 最近は取材先でインフルエンサーによく会う。「フォロアー10万人以上のインフルエンサー」といった条件で声掛けをできる仕組みもあるようだ。

豊洲大橋

 インフルエンサーの人たちの仕事ぶりは熱心だ。こちらは一通り写真を撮り終えて、白ワインからレストラン企画のスポンサーだという「ジョニーウォーカー ブルーラベル」のロックに移ったというのに、彼らはスマホやムービーで途切れなく動画を撮り、乾杯の動作を繰り返していた。

 その間、ブルーラベルを飲みながら、こちらの世代的には名称が「ディナー・イン・ザ・スカイ」ときたら、もう一声、夜の会だけでも「ディナー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ナイトジュエル」とかまで攻めてほしかったなんて考えていた。

 レストランは空中で360度ゆっくりと回転した。座席による眺望の不公平はなかった。4分の3周ほどすると、眼下は豊洲市場の建物になった。30分は短く感じた。十数年ぶりに背中に貼ったホカロンはとても暖かく、寒さは感じなかった。

当面6月まで営業、オファーがあれば地方巡回も

 ディナー・イン・ザ・スカイの営業期間は3月13日から当面6月頃まで。1日4回を予定している。参加は身長120cm以上、体重150kg未満などの条件がある。

 料理は和の要素を取り入れた洋風コースで、前菜4品、魚・肉料理を含むメイン4品の計8品が並ぶ。空中での食事を考慮し、加熱式の弁当を採用することで温かい料理を楽しめる工夫がされている。料金はデイタイムが1人3万3000円、サンセットナイトタイムが4万円。

 日本初開催では、スコッチウイスキーブランド「ジョニーウォーカー」の最高峰「ジョニーウォーカー ブルーラベル」が協賛し、上空で特別な一杯を提供する。

 運営するDISJ(東京都渋谷区)は、「日本での初開催を機にディナー・イン・ザ・スカイを新たなエンターテインメントコンテンツとして確立したい。地方巡回も視野に入れ、観光振興に寄与したい」としている。訪日客増に沸く東京だが、今は日本人向けの広報に力を入れている。今後はライブ演奏や結婚式など、食事以外のイベントも考えている。

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