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ゲレンデから思いを乗せて~津南スカイランタン・新潟県津南町~ニッポンを歩こう015

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 夏場のひまわり畑が有名となった新潟県津南町。また、積雪量の多さで冬になると毎日のようにニュースで語られる。豪雪は、観光にとってマイナス要素だ。しかし、雪国にとって、冬場の誘客施策は重要な課題である。

 その津南で半世紀続くイベントが「つなん雪まつり」。そして、そのメインイベントが「スカイランタン」だ。ランタンに火を灯し夜空に上げる。その幻想的な輝きが、年を追うごとに人気となっている。

 スカイランタンは、東日本大震災とその翌日に発生した長野県北部地震の復興と鎮魂を目的としたイベントだ。隣接する長野県栄村が震源であり、津南町も大きく揺れた。そのため、2012年2月15日に始まった。

 さて、ランタンはタイや中国の祭りで打ち上げられるもの。熱気球の一種で、コムロイや天灯(てんとう)とも呼ばれる。その発祥は、今から770年前までさかのぼり、当時は通信手段として使われていた。

 しかし、スカイランタンは、火災を避けるためにスキー場のような広大な敷地が必要だ。紙で作った風船にロウソクを灯し、その熱気で空高く上げる。一方、会場となるグリーンピア津南は、スキー場を併設するリゾートホテルだ。まさしく、広大な敷地を保有している。

 夕刻、スキー営業が終了する。その後、ゲレンデに約2,000個のランタンが上がっていく。漆黒の闇にオレンジ色の気球が上がる姿は、まさしく、幻想的だ。

継続と差別化が肝

 近年、スカイランタンは各地で行われるようになった。しかし、イベントは決められた数日間の限定行事だ。そのため、天候やお客様の予定で、タイミングを合わせることが難しい。お客様のニーズに応えるために、旅行会社各社は祭りの日程以外に貸切ツアーを設定するようになった。

 自分だけのランタンづくりを組み入れるモノや周辺地域の特別感もあるコトをコースに組み入れる。このことが、他社との差別化につながるのだ。その結果、本祭り以上に集客力を増している。

 長く続けることが大切なこと、よりお客様目線で「幸せ」を飛ばしてもらいたいものだ。

(2017.03.13.撮影)

(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8

取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長

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