山口市は12月一か月をクリスマス市と名前を変える。その謂れは、1552年12月、フランシスコ・サビエルが山口にて光誕祭を行ない、キリスト教の布教を始めたことによる。
2006年にスペイン・ナバラ州から山口市が「日本のクリスマス発祥の地」であることの認定を受ける。それを受けて、この年の12月に中心商店街などでコンサートやイルミネーション、資料展示などが行われた。テーマは、サビエルと大内義隆との「出会い」と「きずな」。その後、紆余曲折を経て、サビエル記念聖堂でのミサに、一般客が入場し、コンサートを実施するようになった。
そして、地元企業や民間団体が中心となって、光のイベント「光誕祭」が開催される。2017年12月1日のことだ。これは、山口ディスティネーションキャンペーンの特別企画として、実施された。
このクリスマス市のオープニングイベントは、翌年以降、山口市も実行委員会に名前を連ねるようになる。官民一体となった大きなイベントとして、成長している。コロナ禍によって、実施できない年もあった。そのため、「継続か、中止か」議論は重ねられた。しかし、民間の代表たちの意欲が、ベクトルを「継続」に動かした。
天から舞い降りる「きずな」
オープンイングを告げる讃美歌が聖堂に鳴り響く。合唱が終わると参拝者たちは、中庭に出向いてくる。そして、その瞬間、色とりどりのレーザーショーが始まる。手の届くように、スモッグカーテンが大空に映し出され、まるで、500年以上の昔からの「きずな」が、天国から舞降りているような時間がやってくる。
今では、山口市の冬の風物詩となりつつあるイベント、今年もクリスマス市が始まる。
(2017.12.01.撮影)
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取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長