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Yatsen CEOが語る、科学に裏打ちされた美の未来、再建戦略、そしてグローバル展開

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上海、2025年4月29日 /PRNewswire/ -- ブルームバーグの「China Show」に出演したYatsen Holding Ltd.(NYSE: YSG)の創業者、董事長兼 CEO、David Huang氏は、中国発のビューティーテック企業が、トレンド志向のスタートアップからグローバルなイノベーションリーダーへと進化する過程を明らかにしました。
ブランドポートフォリオの拡大から、科学と研究開発(R&D)への積極的な投資に至るまで、Huang氏はYatsenを「アジャイルでありながら長期志向を持つ」という独自のポジションを持つ企業として位置づけています。
彼のメッセージは明快でした。「美」はいま再定義されつつあり、Yatsenはその次の時代をリードしていく、というものです。

テクノロジー主導のビューティーパワーハウスを目指して

2016年に設立されたYatsenは、まず「Perfect Diary」で注目を集め、中国市場でメインストリームブランドへと成長しました。
現在では、マス、マステージ、プレミアムの各市場をカバーする11のブランドを展開しています。
ラインナップには、細胞レベルの美肌ケアに特化したフランスの「Galenic」、感覚的な英国スキンケアブランド「EVE LOM」、皮膚科医監修の「Dr.Wu」などが含まれ、多様なニーズに応えるという明確な戦略を反映しています。
Huang氏は語ります。「私たちのビジョンは、次世代型ビューティーテック企業を築くこと。トレンド志向から科学志向へ。すべての製品に共通するのは、イノベーションです。」

中国のビューティー消費者 スマートで選択眼があり、イノベーション渇望

中国国内のビューティー市場は、総額4,000億元を超える巨大市場ですが、依然として細分化が進んでいます。
主要企業でさえシェアは一桁台に留まり、アジャイルなイノベーターに成長の余地が残されています。
「マクロ経済環境が厳しい中でも、製品が本当に優れていれば、中国の消費者は購入を惜しまない」とHuang氏は自信を見せます。
この信念のもと生まれたのが、「バイオリップ エッセンス リップスティック」です。
グローバルラグジュアリーブランド並みの価格帯でありながら、コラーゲン生成促進や唇のシワ軽減をもたらす特許成分を配合し、スキンケア効果も兼ね備えたハイブリッド製品です。
「これは単なるメイクアップではなく、リップスティックに搭載されたバイオテクノロジーです」とHuang氏が語ります。高いリピート率とロイヤルティがその実力を証明しています。

科学主導によるプレミアム化戦略:大胆な転換

2021年、Yatsenはスキンケア、R&D、イノベーション主導のプレミアム化に本格的に舵を切りました。
この戦略転換には、オペレーションの再構築、資本の再配分、そして市場の不確実性を乗り越える覚悟が必要でした。
「上場企業の立て直しは容易ではありません」とHuang氏は振り返ります。
「しかし、科学的裏付けのある、機能価値の高いビューティーが主流になると確信していました。」
YatsenはR&Dに8,000万ドル以上を投資し、特許出願数は240件を突破、「Nature Medicine」や「Science Bulletin」といった一流学術誌への論文発表も実現しました。
現在では売上高の3%をR&Dに投資しており、グローバルビューティー業界においても屈指のイノベーション比率を誇ります。

黒字回復、市場からの信頼も拡大

株価はIPO時の水準には戻っていないものの、Huang氏は「ファンダメンタルズはこれまでで最も強い」と強調します。
「直近の四半期以降、投資家からのフィードバックも好転しています。しかし、何より重要なのはパフォーマンス。私たちは黒字成長を回復し、長期的な価値創出に集中しています。」
着実なブランド構築と製品イノベーションにより、Yatsenは長期投資家からの評価を高めています。

「私たちは、株式市場は長期的に真の価値を測る計量器であると確信しております。R&Dへの投資、優れた製品の開発、強固なブランドの構築といった正しい取り組みを着実に執行し、結果的には企業価値が伴ってくると考えております。」

グローバル市場の不確実性にも柔軟に対応

中米間の貿易摩擦やサプライチェーンリスクについても言及したHuang氏。
ビューティー業界がグローバル化している中でも、Yatsenは原材料や部品の多くを国内調達し、主戦場も中国本土に絞ることでリスクを最小限に抑えています。
「影響を完全に受けていないわけではありませんが、十分に管理可能な範囲です。アジャイルを保ちながらサプライチェーンサステナビリティ、クロスボーダー課題のリスクを注視しています。」
仮に関税によるコストが増加した場合でも、ブランドとしては単なる価格競争ではなく、価値提案に注力する方針であるとHuang氏は述べています。「消費者はスマートです。コロナ禍後においては、価格に対する感度が高まっているものの、単なる最安値を追及しているわけではありません。価格に見合う高い価値を持つ商品を求めています。」

グローバル大手とは異なるプレイブック

Huang氏は、Yatsenの「ローカルインサイトとグローバルサイエンス志向の融合」が、世界の大手とは一線を画す強みだと信じています。
「トレンドを追うのではなく、消費者の嗜好がどこへ向かっているかに深く根ざし、バイオテクノロジー、神経科学、成分イノベーションへの大胆な投資が、製品の人気につながっています。」
特にビタミンAやCを配合した高機能美容液や、Galenicの商品がロイヤルユーザーを獲得しています。
将来的には、スキンケア領域における神経科学応用にも本格参入する計画です。

資本政策:透明性、柔軟性、成長性

中米デカップリングやADR上場廃止懸念への対応についても、Huang氏は透明性重視の姿勢を強調。
2億ドルの自社株買いを完了し、株主との利害一致を図っています。
スケール、アジャイル、イノベーションの深さを兼ね備えたYatsenは、急成長する細分化市場において長期シェア拡大を目指します。
「私たちは単なる化粧品メーカーではありません。未来のビューティーを創造しているのです。そして、それはまだ始まったばかりです。」とHuang氏は締めくくりました。

 

Yatsen CEOが語る、科学に裏打ちされた美の未来、再建戦略、そしてグローバル展開

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