2025年4月から開催されている「大阪・関西万博」。シニア世代の中には、興味があっても「広そうで歩けるか心配」「どうやって回ればいい?」と感じている人も多いでしょう。
しかし実際に訪問した人からは「シニアでも無理なく回れる動線や設計だった」「ルートを決めておいたので十分楽しめた」「休憩スポットがたくさんあって良かった」などの感想が挙がっています。
そこで、今回はシニア世代の人でも無理なく楽しめるモデルコースや持って行くといい物をご紹介します。
シニアが大阪・関西万博に行く前に把握しておいたほうがいいこと

まずは、シニアが大阪・関西万博に行く前に把握しておいたほうがいいことを確認しておきましょう。
アクセス方法
1つ目はアクセス方法です。
大阪・関西万博の会場までは複数のアクセス方法があります。
大阪・関西万博までのアクセス方法
- OsakaMetro中央線の夢洲駅から徒歩2分
- 桜島駅から直通シャトルバス
- 新大阪駅から直通シャトルバス
- 大阪駅から直通シャトルバス
- 京阪中之島駅から直通シャトルバス
- 近鉄大阪上本町駅から直通シャトルバス
- 近鉄大阪阿部野橋駅から直通シャトルバス
- 南海なんば駅から直通シャトルバス
- 堺東駅から直通シャトルバス
- 堺駅から直通シャトルバス
- 尼崎駅から直通シャトルバス など
その他、大阪国際空港や関西国際空港からの空港バス、全国各地域から大阪・関西万博までの高速バスもでています。
体力面を考慮すると必ず座れる直通シャトルバスの利用がおすすめですが、ご自宅や宿泊先から行きやすいアクセス方法を検討してみてください。
チケットの購入方法
2つ目は、チケットの購入方法です。大阪・関西万博のチケットの購入方法は以下の3通りの方法があります。
チケットの購入方法
- 公式サイトで万博IDを登録して購入 https://ticket.expo2025.or.jp/
- EXPO Quickで購入 https://lp.expo2025.pia.jp/
- コンビニや旅行代理店で購入
②と③は万博IDの登録は不要ですが、パビリオンを事前予約する場合は万博IDが必要になるため、注意が必要です。
シニアが無理なく大阪・関西万博を楽しむためのポイント
大阪・関西万博はさまざまな人が楽しめるような設計になっていますが、以下のポイントを抑えることでさらに無理なく楽しめます。
平日の午前中や夕方以降に訪問する
「並ばない万博」を目指している大阪・関西万博ですが、実際には週末を中心に混雑が発生しています。できるだけ混雑を避けるためには、平日の午前中もしくは夕方以降に訪問するとよいでしょう。
行きたいパビリオンは事前予約する
大阪・関西万博では一部のパビリオンは予約がないと入れない仕組みになっています。「必ず行きたい!」というパビリオンは事前予約がおすすめ。予約が入っていれば、無駄なく効率的に巡れます。
予約が必要な日本のパビリオン
- 日本館
- 大阪ヘルスケアパビリオン
- NTTパビリオン
- 電力館
- 住友館
- パナソニックグループパビリオン
- 三菱未来館
- パソナ館(PASONA NATUREVERSE)
- ガンダムパビリオン
- ガスパビリオン おばけワンダーランド
- 飯田グループ×大阪公立大学共同出展館
- TECH WORLD
- BLUE OCEAN DOME
- 関西パビリオン
- ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier
- シグネチャーパビリオン(全8館)
また、多くの海外のパビリオンは予約不要で楽しめますが、以下のパビリオンは予約が必要になるため注意が必要です。
予約が必要な海外のパビリオン
- イタリア・バチカン館
- オランダ
- ハンガリー
- ポーランド
- カナダ
- 英国
- アラブ首長国連邦
- 大韓民国
- タイ
- オーストラリア
- セルビア
- クウェート
電動カートの利用を検討する
大阪・関西万博では、会場内で無料の電動カート「e-SNEAKER」の貸し出しを行っています。150台用意してあり、事前予約なしで当日利用可能です。
キャッシュレス決済ができるように準備する
大阪・関西万博での会計はキャッシュレス決済が基本です。事前に、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済を使えるように準備しておきましょう。
持ち物を万全に準備する
会場内である程度の物は購入できますが、快適に過ごすために以下の物を持参することをおすすめします。
おすすめの持ち物
- チケット
- スマートフォン
- キャッシュレス決済が可能なもの
- マイボトル
- 帽子
- 日傘
- 日焼け止め
- モバイルバッテリー
- ウェットティッシュ
- 常備薬
- 会場マップ(紙)
- 万博ID・予約確認書類(紙)
- 身分証明書(保険証・免許証など)
- 緊急連作先メモ
特におすすめしたいのは紙のマップです。会場内では1枚200円の有料のマップは販売していますが、無料のマップは配布していません。デジタルマップに慣れていないと使いづらいもの。デジタルマップに不安のある人は、事前に印刷して持って行くことをおすすめします。
休憩スポットやサポート施設を有効活用する
大阪・関西万博は、休憩スポットやサポート施設が充実しています。
日陰やミスト噴霧のあるクールスポットや、静かに横になれるヒーリングスペース、体調を崩したときに利用できるメディカルセンターがあるため、事前にチェックしておきましょう。
シニアにおすすめの大阪関西万博半日モデルコース!
では、具体的にどのように大阪・関西万博を回ればいいのか、シニアにおすすめのモデルコースを2つご紹介します。
話題性のあるパビリオンを巡るコース
まずは、話題性のあるパビリオンを巡るコースです。モデルコース内のパソナ館・イタリア館は事前予約が必要です。
東ゲートから入場⇒シンガポール館⇒イタリア館⇒フランス館⇒ミライカフェ⇒パソナ館(PASONA NATUREVERSE)⇒大屋根リング周辺で休憩・買い物⇒東ゲートもしくは西ゲートから退場
夢洲駅直結の東ゲートから入場し、海外パビリオンをいくつか巡りましょう。巨大な赤い球体が目印の「シンガポール館」では、夢を現実に変える過程が体験可能。自身の夢を入力すると球体内のスクリーンに映し出され、他の来場者と共有することができます。チキンライスやラクサなど、本場のシンガポール料理を楽しめるカフェも併設されています。
「イタリア館」は、ルネサンス期の理想都市を現代的に再解釈した体験型パビリオン。「劇場(テアトロ)・列柱廊(ポルティコ)・広場(ピアッツァ)・庭園(ジャルディーノ)」というイタリア都市文化の象徴的な空間で構成されています。レオナルド・ダ・ヴィンチの直筆設計図やミケランジェロのキリストの復活など、イタリアの至宝の展示も話題。レストランでは、イタリア各地の郷土料理やワインを週替わりで楽しめます。
劇場の舞台のようなデザインの「フランス館」は「愛の讃歌」がテーマ。建物の中心を貫くらせん階段を登って行ける屋上庭園や「ルイ・ヴィトン」「ディオール」「セリーヌ」「ショーメ」などの高級ブランドの展示が楽しめます。フランスパンやペストリーが楽しめるブーランジェリーや、フランス料理やワインを楽しめるビストロも人気です。
昼食はミライカフェで、片手で手軽に食べられる「ワンハンドBENTO」を食べてみてはいかがでしょうか?ただし、平日でもある程度の混雑が予想されるため11時前後の早目の時間に訪問することをおすすめします。
昼食後は、パソナ館でiPS心筋シートや未来の医療を体験してみましょう。iPS細胞による心臓移植で「ネオアトム」として復活した鉄腕アトムが、ブラック・ジャックと共に未来の医療をナビゲートしてくれます。最新の睡眠技術を体験できるコーナーも人気です。
パソナ館の予約が取れていない場合は、インドネシア間やスイス館など海外パビリオンを巡ってみましょう。
最後に、大屋根リング周辺で休憩と買い物を楽しみます。記念グッズなどを購入する場合は、比較的混雑の少ない夕方になる前の明るい時間帯がおすすめです。買い物を楽しんだら、夢洲駅利用の人は東ゲートから、シャトルバス利用の人は西ゲートから退場しましょう。
日本と海外の技術や文化を楽しめるモデルコース
次は、日本と海外の技術や文化を楽しめるコースです。モデルコース内の日本館と住友館は事前予約が必要です。
西ゲートから入場⇒日本館⇒住友館⇒「大屋根リング」周辺で昼食・休憩⇒海外パビリオン巡り⇒東ゲートから退場
朝は比較的すいている西ゲートから入場します。ただし、夢洲駅から徒歩で入場する際は東ゲート直結になるので、無理して西口から入る必要はありません。
入場したらまずは「日本館」に向かいましょう。基本的には事前予約が必要なパビリオンですが、9:30~10:30と19時以降は予約なしでも観覧できます。日本館は日本独自の「循環」の概念を体感できるパビリオン。訪問者は自然と人間の営みがどのように循環しているのかを体感できます。世界最大級の火星の石や、探査機「はやぶさ」「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星の砂の展示も人気です。
次に向かう「住友館」は事前予約が必要なパビリオンです。ランタンを持って森の中を歩く体験型展示が人気。木材をふんだんに使った癒し系の空間設計で、落ち着いた雰囲気が魅力です。
2つの日本のパビリオンを満喫したら、大屋根リング周辺で昼食休憩をとりましょう。大屋根リングは万博のシンボルともいえる直径約675mの木造リング。クールスポットも多く、レストランやカフェも多いため休憩に最適です。
昼食をとったら、予約不要で入れる海外パビリオンを巡りましょう。会場内にある「World Food Court」では世界のさまざまな料理も楽しめます。
海外パビリオンを満喫したら、東ゲートから退場します。ゲート周辺にはお土産ショップもあります。15時を目安に東ゲートに向かうと、帰りの混雑に巻き込まれずに済むでしょう。
大阪・関西万博はシニア世代の人も安心して楽しめる
大阪・関西万博はシニア世代の人も安心して楽しめる設計になっています。今回ご紹介したポイントやモデルコースを参考にして、無理なく自分のペースで楽しい1日を過ごしてください。
寄稿者 岡地綾子(おかじ・あやこ)㈱シニアジョブ・シニアタイムズ編集長