京都市と公益社団法人京都市観光協会は7月1日から9月30日まで、「京の夏の旅」キャンペーンを開催する。今年で50回目を迎える節目の年となる今回は、「昭和100年」にちなみ、近代京都の名建築と夏にふさわしい水景をテーマに、非公開文化財の特別公開をはじめ、夜間ライトアップや体験型企画を実施する。
文化財の特別公開では、渉成園(枳殻邸〈きこくてい〉)燕申堂や東本願寺御影堂門、先斗町歌舞練場など、通常は非公開の建物が初公開される。また、仁和寺観音堂や上賀茂神社本殿・権殿など歴史的建造物の公開もあれる。仁和寺では期間限定で夜間ライトアップが実施され、昼とは異なる幻想的な景観が楽しめる。
今年は夏の暑さ対策にも力を入れており、文化財特別公開の一部会場では、協賛企業と連携した「クーリングスポット」を設置。暑さ対策グッズの配布や、観光客に向けた京都観光モラルの啓発も行う。上賀茂神社では、足を水に浸しながら風鈴の音を楽しむ夜の特別企画「龍神詣りと足つけ夕涼み」も実施される。
このほか、文化財拝観と飲食特典がセットになった「涼味スタンプラリー」や、しょうざんの渓涼床での食事付き観光バス「おこしバス」特別コース、伝統文化に触れる特別体験プログラムなども用意されている。市民向けには内覧会招待や優待キャンペーンが行われ、市民が改めて京都の魅力を再発見する機会とする。
京都市と観光協会では、本キャンペーンを通じて「京都観光モラル」の理念に基づく持続可能な観光の実現を目指しており、市民と観光客の双方が心地よく過ごせる夏の京都の創出を目指す。