観光庁は7月11日、岩手県宮古市が策定した「地域通訳案内士育成等計画」に同意した。これにより、「宮古市地域通訳案内士」が誕生することになる。全国の自治体で43カ所目となる。(写真はみちのく潮風トレイル)
地域通訳案内士は、特定地域の歴史や地理、文化に深く精通し、自治体による研修を受講後に登録。報酬を得て外国人旅行者に同行し、その地域固有の魅力を伝える役割を担う制度。地域通訳案内士として登録を受けると「地域通訳案内士登録証」が交付される。
宮古市では今後、浄土ヶ浜の津波伝承や震災後の復興の歩みを含むテーマを盛り込んだ研修プログラムの実施などで、宮古市地域通訳案内士の育成に力を入れる。また、訪日外国人旅行者に対し、「みちのく潮風トレイル」や、三陸ジオパークの世界ジオパーク登録を視野に入れながら、地域の認知度向上につなげていく。
地域案内士制度は今年4月1日時点で42自治体に導入され、4,031人が登録している。観光庁は、2030年までに訪日外国人旅行者数を6,000万人、観光消費額15兆円に引き上げる目標を掲げ、地方への旅行需要分散を重視している。そのために、DMO(観光地域づくり法人)と協働し、キャッシュレス化や多言語案内標識、二次交通整備とともに、通訳ガイドの育成と質の向上を主要政策と位置づけている
約27,950人が登録している全国通訳案内士と地域通訳案内士が連携し、訪日旅行を都市集中型から地域分散型へのシフトに取り組んでいく。