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世界を跨ぐサイクリングツアー(その2)琵琶湖一周の場合

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前回に引き続き、今回は、琵琶湖のサイクルツーリズムについてお伝えします。

筆者は、2025年5月28日~29日まで1泊2日で、輪な道(滋賀県大津市、代表:一丸 剛)主催の「プライベート北湖ビワイチツアー」に、同伴者の加藤氏と2人で参加しました。加藤氏は、元広告会社勤務の69歳。定年後はある企業の社会貢献事業として全国の祭りをテーマにしたテレビ番組制作事業に携わっています。

氏は、自転車どころか運動経験もあまりない中、ビワイチ決行は無謀、と家族の方にとめられました。しかし、今後の経験のために参加されました。このレポートは、前回のカナダ・香港の事例と比較しながら伝えます。

ビワイチ~1日目

まずは行程です。初日は、滋賀県堅田駅に集合し着替え等の準備をした後、初めてのレンタル自転車の乗り方の説明を受け、実際に練習を行ないます。そして、1日目のルート説明を受け、スタートとなりました。レンタル自転車は、重心が低く安定性の高い、Eバイクと呼ばれる電動自転車でした。

滋賀県大津市は、サイクリストの聖地と言われます。行政もサイクリストへのハード面(自転車専用道路の整備)やソフト面(官民一体となったサイクリストの受入)で細やかに配慮をしています。

まずは、サイクリストの聖地モニュメントで記念写真を撮りました。

琵琶湖湖岸を絶えず左に見ながら走ります。気が付いた点は、カナダに自転車専用道路があるように一般道路とは個別に自転車道がゆったりとした幅で用意されています。また、専用道路側には低木ですが、樹木が植栽されています。そのため、サイクリスト目線ではあまり車の走行の様子が見えない工夫がなされています。

そして、この専用道路は初心者・中級車利用。一方、本格的なサイクリストは自動車道路を走行します。この区分によって、サイクリスト同士のストレスがないことが実際に走ってみてわかりました。

さて、コースには、観光要素も組み込まれています。単にゴールを目的とするサイクルツアーでないことも楽しみの一つでした。また、休憩を兼ねた昼食場所では、琵琶湖の幸を取り入れた料理店に入ります。香港サイクリスト達が望んでいた味覚や文化を愉しみ、地域とのふれあいも味わえる工夫がされていました。

ビワイチ~2日目

次に、2日目は、自転車にも慣れたことろで、一気に約100kmを走破します。そのため、出発前にルートと休憩ポイントの説明を受けました。今回は、賤ケ岳付近が登坂ポイントです。しかし、実際走行すると、一般のサイクリストを尻目にEバイクは楽々と坂を登りきることができました。全体としては、100kmの道のりですので、休憩ポイントは多めでした。

また、琵琶湖をゆったりと眺められる絶景ポイントでは、参加者2人のために休憩ポイントには、入れたてのコーヒーや体力回復の食べ物、専用のいすが準備されていました。これは贅沢なひと時を満喫し、記憶に残る思い出となりました。

朝9時頃出発し、18時頃にスタート地点に戻り約100kmを走破しました。最後には、完走証明書と記念撮影をして、ツアーは終了しました。

成功のポイントは・・・

今回のビワイチツアーのポイント要点をあげますと

①先導者が同行して、安全の確保と道案内をして安全・安心の担保があった

②単なる完走を目的としたツアーではなく、途中観光や地元産品を愉しむ目的があった

③風光明媚なポイントでは記念撮影や景色を眺めながらのリッチな休憩が体験できた

④後続車のおかげで、自転車のメンテ(バッテリー交換)やドリンクの提供による熱中対策が施された

⑤後続車のメンバーが先回りなどをして、走行シーンを撮影した(写真データは、後日メール添付で提供)

これらは自分たちだけではすべてなしえない事柄であり、ツアーとして大切な要素だと確認できました。また、今回ビワイチに参加して健康面でもリフレッシュができました。海外の学説では、がん予防にサイクリングが良く、シニアの健康維持にとても役立つとされています。このように、官民一体の取り組みは、まさしくウェルネスツーリズムの代表と言えるのではないでしょうか。

そして、Eバイクの利用により、シニア層・女性・こどもまでの幅広い世代で手軽にサイクルツアーが楽しめます。そして、インバウンドの京都プラスワンのアイテムとして、オーバーツーリズム対策の取り組みとして、充分に成立する可能性を感じました。

これまでの寄稿は、こちらから(https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=4866

寄稿者 梅阪雅雄 合同会社GO-ON 代表

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