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観光を学ぶ女子大生から見た観光業界への就職の不安|跡見女子大 篠原ゼミ 畠山妃菜

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 「観光を学ぶ女子大生から見た日本の観光」

こんにちは。私は東京都文京区にある跡見学園女子大学 観光コミュニティ学部で、観光政策や観光による地方創生を学んでいる21歳大学3年の女子大生です。将来は観光産業や自治体での観光振興の仕事に就ける様に、大学での授業やフィールドワーク、インターンシップ等で忙しい日々を過ごしています。 

今回からツーリズムメディアサービスとの連携企画として、観光を学ぶ女子大生のコラムを「観光を万部女子大生から見た日本の観光」を題材に、定期的に投稿することになりました。イマドキの若者が感じた観光への思いを、生でお届けしますので応援いただけましたら幸いです。

今回の記念すべき第1回目は、3年の畠山妃菜が観光を学ぶ女子大生から見た観光業界への就職の不安」をテーマに執筆します。

跡見女子大 畠山
跡見学園女子大学 観光コミュニティ学部 篠原ゼミ 3年 畠山妃菜

1、観光産業への就職を目指す学生の不安

大学3年の私は将来観光産業への就職を希望していますが、最近一抹の不安がよぎっています。3年間さまざまな観光政策のキーワードを学んできた中の1つに「観光は平和産業である」というキーワードがありました。最近ではようやくその意味が良く理解できるようになってきました。 

顕著な例として、2020年の新型コロナウイルス感染症が挙げられます。国内はもとより、世界中で人流がストップするなど、観光業界はかつてない打撃を受けました。また、近年の国際社会では、ロシア・ウクライナ戦争の長期化やアメリカファーストを唱えるトランプ大統領の関税の動きの中で紛争や経済危機への不安などさまざまな不安定要素が顕在化しています。

一方で、地球温暖化の進行により日本の夏はかつてない猛暑に見舞われ、40度を超える日も珍しくなくなりました。もはや「暑さ」は季節の一時的な現象ではなく、人命にも関わる社会課題として定着しつつあります。さらには地震大国の日本では、南海トラフ地震への懸念も高まっています。政府の地震調査研究推進本部による最新の評価では、地震が今後30年以内に発生する確率は「70%から90%以上」とされています。

平和産業とされる観光産業は、戦争や災害が頻発する現代において、大きな転換期を迎えているように感じます。こうした状況は、観光客の安心安全な旅行環境の確保を難しくするだけでなく、これから就活を控え観光産業を志す学生にとっても、「観光産業に自身の人生を懸けて本当に大丈夫なのか?」という不安が広がり、観光産業への就業は心理的なハードルが高まっています。

篠原ゼミでは、全国各地への研修を通じて学びを深め、知見を広げている
篠原ゼミでは、全国各地への研修を通じて学びを深め、知見を広げている

2、私の考える観光業界の明るい未来

観光業界の未来は決して暗いわけではないと感じています。コロナ禍にうまれた「ワーケーション」や近年進んでいる新しいビジネスモデルのように、観光業界の強みを活かした新たな展開が次々と生まれています。しかし、そこで忘れてはいけないのが「観光業界である」という原点、そして「観光によって日本の経済を活性化させる」という使命です。

観光は、単に旅行や消費を生み出すだけの産業ではありません。国や地域を越えて人と文化を結びつける“民間外交”の力を持っています。世界情勢が不安定な今だからこそ、観光の人や場所、文化を『生かす力』『つなぐ力』がより大切になっていると感じます。この“民間外交”の力こそが、観光を「平和産業」として再び輝かせる原動力となるはずです。そして私は、観光業界の未来は決して暗くないと信じています。むしろ、今こそ観光の力でこれからの日本を元気にできるチャンスが広がっていると感じています。

これからの希望に満ちた観光業界の一員として関わっていく決意です。

プレゼンの練習に励む畠山さん
プレゼンの練習に励む畠山さん

3、私が観光を志した原点

最後に少しだけ私の自己紹介をさせていただきます。当時17歳の私は大学選びに迷っていましたが、進路指導の先生に「自分が一番好きな事や興味がある分野は何か」と問われ、「大好きな事は旅!」「興味があるのは観光です」と即答しました。当時の私は幼いながら旅好きな家族と行った様々な旅先での出来事や、未知なる景色や地元の方々との出会いが、旅の感動として私の脳裏に深く焼きついていました。

そんな私たちの高校生活は2020年コロナ渦に巻き込まれ高校時代最大の楽しみであった校外学習や予定されている沖縄への修学旅行は全て中止になりました。

こうした背景の中で私は迷わずに実践的な観光教育を行っている跡見学園女子大学観光コミュニティ学部に入学。さらには政府の観光政策の策定にも多く携わっておられる篠原靖先生の門下生として憧れの篠原ゼミで観光のイロハを学ばせていただいています。

大学生活では楽しく青春を謳歌していましたが、ふと気が付くと私も就活を控えた大学3年生となりました。この3年間で観光を多角度から学んできた私の観光への思いは、高校生当時の憧れとは違い、矛盾や課題などを理解し、正しく観光産業の光と影を感じるようになりました。

こんな私たちから見た観光立国をかかげる日本の観光について感じていること、そしてゼミ活動を通して訪問するさまざまな観光地や地域の課題を率直にレポートさせていただき、読者の皆様からのご意見やご教授をいただきたく存じます

2024年には、日本旅行業協会主催の「アメリカ旅行企画コンテスト」で篠原ゼミの企画が準グランプリに
2024年度には日本旅行業協会(JATA)主催の「アメリカ旅行企画コンテスト」で篠原ゼミの企画が準グランプリを受賞

今後の記事について

初回のコラムは少し真面目過ぎる内容となりましたが、次回からは学びを交えた明るく楽しい旅のレポートもたくさんお届けしていきます。

執筆者は合計3名(4年磯田、3年畠山、渡辺)でお送りいたします。今回の記事は、3年副ゼミ長の畠山妃菜が担当いたしました。

次回からは女子大生の目線から見た宮古島をリポートいたします。お楽しみに!

寄稿者 畠山妃菜(はたけやま・ひな)跡見学園女子大学 観光コミュニティ学部 篠原ゼミ 3年

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