今年もお盆休みの時期になりました。ちょうど2025年は海の日(11日、祝日)が月曜日なこともあり、有給休暇を活用するなど、長期で休暇を取得して実家に帰省する方も多いことでしょう。その際に関心が高まるのは、普段間近で様子を見ていない高齢のご家族の近況ではないでしょうか。
ここ近年は、スマートフォンの活用や遠隔でカメラを用いるなど、普段からご実家などに住まわれるご家族の様子を日々把握されている方も増えています。とはいえ、カメラ越しの様子と、実際はやはり大きな隔たりが出てくるものです。それは、24時間常時様子を見ているわけではないので、最近の心境など見えない変化までは把握できません。また、住まいの環境も全ては把握できていないことが露呈してしまいます。掃除ができているか、修繕が必要な個所が発生していないか。「家族だから自分が良く分かっているはず」という思い込みは一旦置いておいて、もう一度間近で見るご様子を把握しておきたいものです。
ご実家に戻られたらまず把握したいのは、「誰が日々家族と接しているのか」でしょうか。同じ親族の方か、各種介護サービスの介護職員か、医療機関の医師や看護師などなのか。そうした方たちは、普段遠隔でしかコミュニケーションが取れない皆さんよりご様子と経緯を把握しています。そうした方たちとの情報の交換は、現状把握と今後の準備や計画のために有益です。特に出入りの介護職員は、発言や行動に出てくる家族の「キーワード」から介護のヒントが無いか探っているところもあり、遠隔のご家族と会える機会があるなら、是非コミュニケーションを取りたいと思っています。
折角の仕事休みでもあると思いますが、普段見えていないものを見つめる機会になるのが、また帰省なのかもしれません。
寄稿者 猪股透人(いのまた・はやと)シーキューブ㈱ https://c-cube.life/