日本海響灘に浮かぶ角島、その先端に角島灯台は建っている。無塗装ですべてが御影石で造られた白い灯台だ。無塗装の灯台は、現在、国内には2つしか存在しない。
1876年に初点灯。高さ43m、特大フレネルレンズは、国内に5箇所しかないという第1等灯台である。灯台の父と言われるイギリス人、リチャード・ヘンリー・ブラントンの設計による最後の灯台、日本海初の洋式灯台だ。そのため、歴史的文化財価値が高く、近代化遺産にも選ばれている。
また、全国16箇所の「上ること」ができる灯台の一つとしても有名。105段のらせん階段とはしごを使って上る。
さて、島の先端は、冬場になると強風が吹く。そのため、観光客も少なくなる季節だ。しかし、1月下旬から2月中旬にかけて、足下一面には、水仙の花が咲く。灯台の白と黄色の花弁が美しい調和を見せてくれる。
角島大橋の架橋によって、観光客は簡単に島内に訪れるようになった。また、難読漢字である「特牛(こっとい)」の名を冠したイカも有名である。キラキラと透明に輝く「活イカの刺身」を求めて、島に渡る人々が増えたとお店の方から聞く。
しかし、かつてから営業する民宿の宿泊者数は減少傾向にあるらしい。便利になることと地域への経済効果、しっかりと天秤にかけて議論し、良い方向性を見出すことも重要なことと感じる。
(2022.01.19.撮影)
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取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長