東京商工会議所は8月18日、会員企業を対象に実施した災害・リスク対策に関するアンケート結果を公表した。全体のBCP(事業継続計画)策定率は39.5%だったが、中小企業に限ると28.0%にとどまり、依然として防災体制の遅れが浮き彫りとなった。
調査は5月に実施し、1,352社から回答を得た。BCP未策定の理由としては「人員や時間の余裕がない」が半数を超え、「具体的な対策方法が分からない」(約4割)、「費用に余裕がない」(25.3%)といった声も目立った。備えが必要と感じるリスクは「地震」が最も多く、95%以上の企業が挙げている。
こうした状況を受け、東商は支援策として「超入門版BCPシート(首都直下地震編)」を公開した。A3用紙1枚で完結し、首都直下地震を想定して「誰が何をするか」「重点事業と必要資源」「事前準備」の3点を中心に構成。
初めてでも簡単に編集できるフォーマットで、中小企業がBCP策定に踏み出す第一歩となることを狙う。今後はAIを活用したBCP策定支援も開始する予定だ。
東商は2014年に東京都と防災協定を結び、毎年調査を行っている。今回の結果とあわせて新たな支援策を展開し、未実施企業への普及を図るとともに、国や都への政策提言を通じて企業の防災力向上を後押しするとしている。