島根県・奥出雲町の「奥出雲多根自然博物館」(多根幹雄理事長、宇田川和義館長)は8月1日から13日までの約2週間、國學院大学観光まちづくり学部(神奈川県横浜市)に在籍する学生3人をインターンとして受け入れた。昨年8月に続く2回目の実施で、大学との連携強化や若い世代の感性や視点に触れることで博物館の組織活性化をはかる。
参加したのは3年生の藤原向希さん、2年生の茂津目真那さん、1年生の田中茉菜美さん。3人は関東地方出身で奥出雲町や島根県を訪れるのは初めて。博物館でのインターンを希望した理由について、藤原さんは「学校で“地域を見て地域を動かす”ということを学んでいますが、博物館は地域とのつながりが強く、それに沿った場所だと感じました」と語った。
同館は世界の化石約2千点や地球を形成するさまざまな鉱物、恐竜の全身骨格標本などを展示する。「日本で唯一の泊まれる博物館」として、宿泊施設やレストランを併設。地域観光の拠点として、同館近くで運営する古民家を改修した一棟貸しの宿「奥出雲百姓塾」も運営している。
インターン期間中、学生は博物館での夏休みのイベント補助に加え、客室でのベッドメイキングや清掃、百姓塾での草刈り、清掃など多岐にわたる業務に取り組んだ。同館向かいにある温浴施設「長者の湯」(修繕工事のため休業中)の駐車場で行われた夏イベントでは、前日準備や当日サポートも行った。

恐竜のジオラマづくりイベントのサポートでは、材料準備や子供への作り方の説明、ジオラマの配置指導などを行い、イベント運営の流れを学んだ。藤原さんは「お客様が気持ちよく帰っていただけるよう、『ごゆっくりどうぞ』『ありがとうございました』など、最後の一言を大事にしました」と接客業経験を生かした対応を心掛けたという。
8月5日には奥出雲町の糸原保町長を表敬訪問。糸原町長からは認定を目指す世界農業遺産への取り組みなどの説明を受けた。そのほか、期間中には松江城や足立美術館、さぎの湯温泉、出雲大社、石見銀山など県内各地を視察。初めて訪れる土地を自分の目で確かめ、観光資源や地域特性を体感した。

藤原さんは「奥出雲町はコミュニティのつながりが濃密だと感じました。博物館の皆さんも1人1人が、満足して帰ってもらいたいという強い想いを持っていたのが印象的でした」と振り返る。
宇田川館長は「昨年に引き続き、学生が来てくれたのは大変ありがたいことです。学生の純粋で素直な視点は、日常業務では気づかない改善点を教えてくれます。学生にとっても博物館での経験が役立つよう、互いにメリットのある体験活動として、今後の運営改善に役立てたいです」と話す。
約2週間の期間中の世話役を担った同館の門脇修二専務理事は「学生が積極的に取り組んでくれたのが印象的でした。博物館にとってもよいアドバイスをいただきました。今後に生かしていきたいです」と述べた。
※アイキャッチは、左から田中さん、茂津目さん、奥出雲町の糸原保町長、藤原さん
情報提供 旅行新聞新社(https://www.ryoko-net.co.jp/?p=154414)