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ヨルダン、日本市場を最重要視 ドーハ経由の商品造成と安全性を訴求

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ヨルダン政府観光局は2日、都内で「ヨルダン観光セミナー・商談会」を開催した。同局マネージングディレクターのアベド・アル・ラッザーク・アラビヤット氏やナーセル・シュライデ次期駐日大使らが登壇し、日本市場の重要性を強調。カタール航空との連携によるドーハ経由の新たな周遊商品や安全性を訴求しながら、日本向け販売促進に向けた実務情報を提示した。

アラビヤット氏は、日本市場を「数字以上の可能性を秘めた注力市場」と位置づけたうえで、2019年の訪問者数が約1万3000人、コロナ禍で約4000人に減少したことに言及。2025年7月末時点では既に3000人を超え、年末にかけてさらなる増加を見込んでいるとした。関西万博パビリオンの成功や本商談会の開催を「市場回復のきっかけ」と位置づけ、今後の継続的展開にも意欲を示した。

シュライデ次期駐日大使は「ヨルダンは日本市場に向けた商品設計が可能なデスティネーション」と述べ、歴史・文化・食・レジャーなど、旅行者の多様な関心に応える体験価値が揃う点を強調した。日本人の嗜好や文化に合わせた「専用商品」の設計を進めるとし、訪問者の体験価値最大化を図る戦略を示した。

今回の商談会では、ドーハを拠点とするカタール航空およびビジットカタールと連携し、新たな2か国周遊パッケージを初投入したことが発表された。具体的には、ドーハに2〜3日のストップオーバーを組み込み、ヨルダンを12〜20日間で巡る商品造成を提案。公式連携としてはヨルダンとカタールの2か国が対象だが、今後はここにエジプトを追加したアレンジについても可能性を示唆した。

カタール航空は、日本—ドーハ間をコードシェア含め成田・羽田・関空の3空港から運航しており、日本からヨルダン・アンマンまでは最短17時間35分で結ぶ。11月以降のドーハ—アンマン線は1日4便体制となる見通しで、成田22:25発→ドーハ03:55着→アンマン行きQR6100(RJ機材)6:00発という乗継を推奨路線として紹介した。復路の羽田深夜到着に対しては、ビジネスクラス向けタクシークーポン上限2万円、平和島温泉の無料滞在と送迎、ホテルヴィラフォンテーヌT3の割引宿泊、変なホテル羽田の特別料金など、複数のサービスを提供しているという。

また、個人旅行向けには「Discover Qatar」プログラムによるドーハ市内観光や砂漠ツアーなど、訴求しやすいストップオーバー商品も案内された。加えて名古屋—関空間には便名付き連絡バス(QR7000/7001)を通し発券対応とし、地方からのアクセス強化も図っている。

「半世紀の平和」訴える ヨルダン、治安面の誤解払拭へ

安全性についても複数の登壇者が言及した。シュライデ大使は「ヨルダンは半世紀以上、戦争に巻き込まれておらず、観光客の重大事故もない」と述べたほか、「治安の良さは日本と通じる」との認識も示した。アラビヤット氏は「ヨルダンは中東地域のなかでも安定した国として国際的にも知られており、事実として25年以上大きな混乱を経験していない」と述べ、正確な安全情報の継続的な発信と印象改善の必要性に触れた。

セミナーでは観光素材のアップデートも。スローガン「Kingdom of Time」のもと、ペトラ、死海、ワディ・ラムなどの定番資源に加え、600kmを超えるロングトレイル「Jordan Trail」、温泉や保護区などを含むウェルネス資源、MICE、語学・教育旅行の受け入れ体制など、セグメントを横断した素材が紹介された。

また、ヨルダン投資省のザーヒル・アル・カタルネ事務総長は、2033年までの経済成長ビジョンにおいて、観光を含む重点産業への外資誘致を強化していると説明。加えて、GDPの倍増、100万人の新規雇用創出を目指しているという。

今後もロードショーや商談会の継続、日本市場向けの商品設計、送客の共同プロモーションなどを通じて、官民一体での市場開拓を進めていく構えだ。

情報提供:トラベルビジョン(https://www.travelvision.jp/news/detail/news-118461

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