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世界の国際観光客数、上期は前年比5%増、日本は21%増と高い伸び

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国連観光機関(UN Tourism、スペイン・マドリード)は9月9日、2025年1~6月の世界の国際観光客数が前年同期比5%増の約6億9000万人となり、新型コロナ禍前の2019年を4%上回ったと発表した。世界的な経済・地政学的課題が残る中でも、観光需要の底堅さが示された。

報告によると、地域別ではアフリカが12%増と最も力強く成長し、北アフリカ(14%増)、サハラ以南(11%増)がけん引した。アジア太平洋は11%増と回復が続き、北東アジアが20%増と際立った伸びを示したが、それでも2019年比では8%下回る。

欧州は約3億4000万人を受け入れ、前年同期比4%増、2019年比7%増と堅調で、中央・東欧が9%増と回復を加速させた。アメリカ大陸は全体で3%増にとどまったが、南米は14%増と好調だった。

一方、中東は前年同期比4%減となったが、2019年比では29%増と高水準を維持している。

国別では、日本とベトナムが21%増、韓国が15%増、モロッコが19%増など大きく伸びた。フランスとスペインはいずれも5%増で、世界有数の観光地としての地位を維持している。

日本は1~6月の累計で前年同期比21.0%増の2151万8100人となり、前年に比べ370万人以上多かった。訪日外客数が年初からわずか6か月で2000万人を突破したのは統計を取り始めて以来初めて。

国際航空旅客(RPK)と国際線供給座席数(ASK)はいずれも7%増加し、宿泊施設の世界平均稼働率は2025年6月に69%と、前年同月の70%に近い水準を保った。

観光収入も主要国で堅調に推移し、日本は18%増、英国は13%増(3月まで)、フランス9%増、スペイン8%増、トルコ8%増と好調だった。旅行支出では、中国が16%増(3月まで)、スペイン16%増、英国15%増(3月まで)、シンガポール10%増、韓国8%増と拡大傾向が続いている。

ただ、UN Tourismは高水準の交通費・宿泊費をはじめとする経済要因が依然として観光需要の課題となっていると指摘。観光インフレ率は2024年の8.0%から2025年は6.8%に鈍化すると見込まれるが、パンデミック前(3.1%)や世界全体のインフレ率(4.3%)を依然上回る水準にある。

観光専門家パネルによる調査では、2025年9~12月の国際観光について「良くなる」「大幅に良くなる」との見方が計50%に達し、前回調査(5~8月期)よりも信頼感が高まった。一方でUN Tourismは、2025年通年の国際観光客数が前年比3~5%増となるとの見通しを維持している。

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