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丸の内は三菱村だ~三菱一号館美術館・東京都千代田区~ニッポンを歩こう150

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東京駅は、八重洲側が三井、丸の内側が三菱財閥の村と言われる。駅を挟んで歴史を刻んできた。また、レンガ造りというと東京駅丸の内駅舎を思い出す。そして、丸の内三菱村には、ミニ東京駅のようなレンガ造りの建物がある。それは、美術館として復元された「三菱一号館」だ。

この建物は、1894年、政府招聘の建築家ジョサイア・コンドルによって設計された。三菱が東京・丸の内に建設した初めての洋風建築の事務所である。19世紀後半の英国で流行したクイーン・アン様式だ。当時は、館内に三菱合資会社の銀行部が入っていた。そして、階段でつながった三階建ての棟割の物件が、事務所として貸し出されていた。

建物は、老朽化のために1968年に解体された。しかし、40年もの時を経て、原設計に則り、2010年春、三菱一号館美術館として生まれ変わった。

また、階段部分の手すり石材など、保存されていた部材を、そのまま建物内部に再利用している。意匠や部材、製造方法や建築技術まで忠実に再現している素晴らしい造りとなっている。

中庭に木漏れ日が当たるとレンガ造りの壁をキラキラさせる。内部に入ってみると明治初期へタイムリープしたかのように、静寂が訪れる。丸の内の喧騒にいるのが、嘘のように感じる瞬間である。

(2023.03.30.撮影)

(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8

取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長

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