成田国際空港は、持続可能な航空燃料(SAF)の地産地消モデル構築に向け、空港の騒音対策用地でスイートソルガム(甘きび)を栽培し、バイオエタノールを製造する取り組みを始めた。
原料生産から燃料利用までを地域内で完結させ、脱炭素化と農業振興を同時に目指す。
スイートソルガムは、茎に糖を蓄えるイネ科植物で、温帯の本州でも生育可能。搾汁液からバイオエタノールを生成できる。今回は、名古屋大学が育種開発した超大型品種「炎龍(えんりゅう)」を、A滑走路北側の成田市荒海にある約1000平方メートルの空港所有地で栽培している。
事業は、千葉県の補助事業「千葉の地域資源を生かしたSAF導入促進事業補助金」を活用して実施。名古屋大学生物機能開発利用研究センターが栽培・収穫体系を最適化し、神戸大学大学院工学研究科が搾汁液からのバイオエタノール製造技術を開発する。
将来的には栽培面積を拡大し、地域内での燃料製造・使用を目指す。