日本旅行業協会(JATA)は、韓国観光公社と共同で日韓国交正常化60周年を記念した「咸安(ハマン)の落火ノリ」(ジャパンデー)を10月16日に開催した。JATA会員旅行会社がツアーを造成し、日本からツアー客約1000人が参加した。(写真はイベントの様子:韓国観光公社提供)
昨年の約500人から倍増となる規模で実施された今回のイベントは、ソウル以外の地方への観光誘致を目的に、釜山から車で約1時間半の距離にある慶尚南道咸安郡無尽亭(ムジンジョン)で開催された。JATAからは髙橋広行会長らが参加し、韓国の地方誘客の取り組みを視察した。
日本からのツアーを催行したのはJTB、日本旅行、阪急交通社、エイチ・アイ・エス、クラブツーリズム、東武トップツアーズ、読売旅行など23社(昨年11社)で、JATA会員会社による積極的な送客が行われた。
落火ノリは、木炭粉を紙や布で縄状に編んで吊るし点火する、慶尚南道の無形文化遺産に指定されている伝統的な火祭りで、火の粉が夜空に舞う幻想的な光景が特徴。近年人気が高まり、2024年度からは予約制が導入されている。
会場では韓服体験やハングル文字体験などの文化コーナーも設けられ、参加者からは「火が降ってくるような感覚が素晴らしかった」「日本では見られない花火で感動した」といった声が寄せられた。
韓国観光公社日本地域センター長兼東京支社長のキム・ガンミ氏は「メディアを活用してイベントの周知を図った結果、昨年の2倍の来韓を得て成功につながった。今後は観覧規模の拡大も検討したい」とコメントした。
またJATAの髙橋会長は「唯一無二のイベントで、幻想的な風景に感動した。地方誘客や高付加価値体験の提供という観点から日本にとっても参考となる。世界文化遺産『伽耶古墳群』の末伊山古墳群なども含めた周遊型商品の造成を検討したい」と述べた。