阪急交通社は、全国の20代以上の男女を対象に実施した温泉・サウナに関する意識調査の結果を発表した。調査では、温泉を重視する傾向が強いシニア層と、サウナを重視する若年層との間で明確な嗜好の違いが見られ、旅行先選びにおける年代別の価値観が浮き彫りとなった。
調査は2025年7月29日から8月5日にかけて実施され、全国の20代以上の男女521名から有効回答を得た。結果によると、宿泊施設選びで温泉の有無を「重視する」と答えたのは60歳以上で54%と半数を超え、年代が上がるほど温泉を重視する傾向が強いことがわかった。一方、20代では「重視する」が23%にとどまるものの、「どちらかというと重視する」を含めると7割以上が温泉を意識しており、必須ではないが需要の高さがうかがえる結果となった。
サウナの有無については、温泉とは対照的に20代と30代が比較的重視しており、それぞれ約2割が「重視する」と回答した。特に20代では、「どちらかというと重視する」を含めると約半数がサウナ付き施設を選びたいと考えており、若年層の間でサウナ文化が根付いていることが示された。一方で50代以上では重視する人が5%程度にとどまり、世代によって温浴施設への関心に大きな差が見られた。
温泉に入る目的としては、シニア層ほど「体の疲れを癒す」「情緒を楽しむ」といった項目の割合が高く、心身の安らぎを重視する姿勢がうかがえる。20代では「療養やリハビリ」といった現実的な目的が多く、温泉をリラックスよりもコンディショニングの場として捉える傾向が見られた。好みの温泉としては、全年代で露天風呂が人気を集める一方、60歳以上は源泉かけ流しやぬるめの湯を好み、20代は高温の湯を支持するなど、温度や泉質の嗜好にも世代差が表れた。

サウナでは、「体の疲れを癒す」「健康のため」「家族や友人との交流」などの目的を挙げたのは20代が最多で、「美容のため」と回答した人も20~30代で多かった。対して60歳以上は「発汗・デトックスのため」が約7割を占め、健康維持への意識が強い結果となった。また、20代では個室サウナの人気が高く、プライベート空間でリラックスを求める傾向が見られた。

今回の調査から、シニア層が温泉の情緒や癒しを重視する一方、若年層はサウナでのリフレッシュや交流、美容効果を重視するなど、温浴文化への価値観が世代によって多様化していることが明らかとなった。阪急交通社では、温泉やサウナ付きの宿泊施設を組み込んだツアーを多数展開しており、年代ごとのニーズに合わせた旅行提案を行っている。
情報提供 トラベルビジョン(https://www.travelvision.jp/news/detail/news-119324)