新潟県と新潟越後広域水産業再生委員会が手がけるブランドズワイガニ「越後本ズワイ」の漁が、11月6日に解禁された。ブランド化9年目を迎え、知名度アップに力が入る。
「越後本ズワイ」は、県北の村上市から糸魚川市、粟島浦村にかけての5漁協が2017年に立ち上げた同委員会が認定するブランドカニ。ズワイガニのうち、身入り指数や色つや、鮮度など厳しい選別基準を満たしたものだけが「越後本ズワイ」として出荷される。その割合はおよそ100匹に1匹だ。
身入り指数(体重÷甲羅幅)という新潟県独自の指標で身の詰まり具合を客観的に判定し、800グラム以上のオスで脚が揃い、色つやが良く、出荷時に生きている堅ガニのみが選ばれる。石川や福井の有名ブランドに隣接する海域で水揚げされ、品質は遜色ないとされる。
県内の卸売業者は「越前ガニや加能ガニより価格は安いが品質は劣らない。価格と品質のバランスが評価され、引き合いが強い」と話す。
「越後本ズワイ」は新潟県内の鮮魚店や旅館、日本料理店のほか、東京・銀座や麻布十番、長野市の飲食店などでも提供されている。
県水産課では「年末年始のお歳暮や家庭の贅沢な食卓にも、越後本ズワイを選んでほしい」と呼びかけている。
ことしは日本海沿岸でズワイガニが全国的に豊漁とされ、資源状況も良好という。新潟県のズワイガニ漁獲量は全国5位。