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東京再発見 番外編「名主の夢は令和に続く」北区王子・名主の滝公園

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江戸時代安政年間(1854~1860年)、王子村の名主・畑野孫八が開いた公園が、名主の滝公園の発祥と言われる。そして、武蔵野台地の崖下「王子七滝」の現存する一つが、この男滝である。しかし、残念ながら落差8mの滝は、ポンプによって流れを作り出している。一方、この公園にはあと3つの滝がある。公園内を回遊させるため、行政が中心となって、再生を進めている。

さて、南側が大きな崖であるために、秋景色を愛でるには、天気の良い午前中がお勧めである。その理由は、男滝から流れ出した小川に朱や黄色の葉っぱが散り落ち、キラキラとした光を見せる。まるで、喧騒の中の渓谷は、時空を超越した風景に出会うからだ。

今も昔も、求めるコンテンツは同じ

昨今、「着地型観光」という言葉が、旅行業界を席巻している。ここは、春の桜や秋のモミジと近隣の飛鳥山公園などとともに、江戸郊外の行楽地を形成してきた。そのため、戦前には、上野の精養軒が保有し、園内にはプールや食堂も営業していたと記録される。

孫八が令和の時代に生きていたら、「しめしめ」と思ったことであろう。日本橋から二里半、日光御成街道沿いの素朴な公園は、名主の夢があちらこちらに散りばめられている。

素敵な出会いは、有名観光地だけでなく、普段着の公園にも存在する。それがまさしく、地域住民と訪問客が融合した「ホンモノ」の観光コンテンツであろう。

緑モミジの向こうに落ちる男滝
緑モミジの向こうに落ちる男滝
イチョウの葉が一面に
イチョウの葉が一面に
朝の光がキラキラと
朝の光がキラキラと
水面の赤は朝日を浴びて
水面の赤は朝日を浴びて

(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8

取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長

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