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下町にひっそりと~台東区下谷・坂本小野崎稲荷神社の富士塚~ニッポンを歩こう177

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朝顔市で有名な下谷鬼子母神。そこから北側に入った場所に小野崎稲荷神社は、ひっそりと社を結ぶ。852年を起源とし、小野篁が主祭神、相殿に菅原道真を祀っている。

寛永年間(1624~1643年)、寛永寺建立のため、幕府に命じられ現在の場所に遷座した。また、江戸末期、回向院より菅原道真と伝わる像を迎えて相殿に祀り、「江戸二十五天神」の一つに数えられた。そして、後に樋口一葉の『たけくらべ』に「小野照さま」の名でつづられている。一方、「坂本」の名称は、比叡山との関係が深く、寛永寺造営の際に名付けられている。

さて、境内には「下谷坂本の富士塚」も置かれている。1782年建造、1979年に重要有形民俗文化財に指定された。富士塚には6月30日から7月1日まで登拝できる。直径は約15m、高さ約6mのミニチュア富士山だ。しかし、残念ながら、ここからは富士山を望むことはできない。上野の山が邪魔している。

そう考えると富士講として祀られる社は、どのように選定されるのか、不思議でならない。

例大祭は毎年5月19日に一番近い土日だ。通常3年に一度本社神輿が渡御する。現在は周辺の17町で構成される氏子町だ。いずれにせよ、地元密着の神社は、地域住民に慕われ存続している。住む人々と訪れる人たちがうまく融合することが、観光振興にも重要なファクターだと感じ入ってしまう。

(2024.09.26.撮影)

(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8

取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長

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