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料金施策や公共交通促進で利便向上へ、国交省が空港駐車場の混雑緩和へ新方針

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国土交通省航空局は12月12日、全国の空港で深刻化する利用者駐車場の混雑緩和に向け、新たな取組方針を公表した。人口減少や少子高齢化、コロナ禍後の公共交通の減便などを背景に、自家用車で空港を利用する来訪者が増加。複数の空港で長時間の入庫待ちなどが発生し、円滑な空港アクセスの確保が課題となっている。

今回示されたのは、国管理空港を対象とした「4つの柱」による総合的な混雑対策だ。国は、駐車場料金に関する審査の新たな運用方針を打ち出し、駐車場運営者に対してインセンティブを付与。各空港の実情に応じた対策を早急に講じるよう関係者に促す。

第1の柱は、料金施策による需要コントロール。泊車料金の引き上げや短時間利用料金の引き下げなどを組み合わせ、公共交通機関や周辺民間駐車場の利用を促す。需要を分散させることで、駐車場収入総額を大きく増減させることなく混雑の平準化を図る狙いだ。

第2の柱は、駐車場運営者による実務的な混雑対策。駐車区画の見直しや、混雑状況のリアルタイム表示、料金徴収システムの改善、ウェブサイトを通じた情報発信などを進める。あわせて、空港関係事業者と連携し、周辺駐車場との協調やシャトルバス運行なども想定している。

中長期的に混雑解消が見込めない場合には、第3の柱として立体駐車場の整備や駐車場用地の拡大といった抜本的な容量拡大策を迅速に実行する。利用者増加が続く主要空港では、ハード面での対応も避けられないとの判断だ。

さらに第4の柱では、公共交通利用促進など、駐車場運営者以外が行う混雑対策事業への収益活用を掲げる。駐車場収益を原資として、鉄道駅の改良やバス乗降場の整備、アクセス路線の増便実証などを支援し、空港アクセス全体の利便性向上につなげる。

航空局は「空港駐車場の問題は、単なる施設運営にとどまらず、地域交通や観光の質にも直結する」として、空港協議会などを通じた関係者間の合意形成と、利用者への丁寧な周知・広報を重視する考えを示している。インバウンド回復が進む中、空港アクセスの円滑化は観光立国日本の基盤整備として、今後も注目されそうだ。

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