謹んで新年のご挨拶を申し上げます。じゃらんリサーチセンター センター長の沢登です。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
変化の大きい環境下にありながら、2025年の観光市場にはいくつもの象徴的な動きが見られました。2025年は、訪日外客数が4 ,000万人を超える見込みとなり、過去最大規模に達した一年でした。一方で国内旅行では、旅行頻度の伸び悩みや若年層の行動変化が見られるなど、市場の構造そのものが変わりつつあります。旅行費用の上昇も相まって、旅の選び方や価値の置きどころが多様化していることがうかがえます。観光は再び力強い成長軌道に戻りつつありますが、その一方で、地方分散・受入環境整備・人材確保など、次の成長に向けた土台づくりの重要性があらためて浮き彫りになった年でもありました。
インバウンドの力強い回復と、国内旅行の多様化。この“二つの市場の動き”を正しく捉え、地域にとって持続的な観光戦略にどうつなげるか。ここに、JRCが今後さらに力を尽くすべき方向性があると感じています。
2005年の設立から、JRCは本年で21年目を迎えます。私たちは、観光に関する調査・分析を起点に、地域とともに実証実験を行い、“シンクタンクからアクトタンクへ”という姿勢を一貫して歩んできました。2025年は、「2040年の観光需要予測」、「観光分野における生成AIトレンド」や「観光業界課題調査」といった未来志向の研究に加え、新たな情報発信として YouTube動画「JRC-TV」を立ち上げ、研究成果の届け方そのものを進化させる挑戦も始めた一年でした。これらの研究・実践を通じて得られた示唆をもとに、2026年も地域の皆さまと伴走し、共に未来へ踏み出す一年にしていきたいと考えています。
干支は「午」。馬は、勢いよく前へ進むだけでなく、長い距離を走り続ける持久力の象徴ともされています。いま観光産業に求められるのは、まさにこの“持続的に走り続ける力”です。地域固有の文化や暮らしへの敬意を軸に置きながら、変化する市場に応じて新たな需要を創り出す。JRCも、皆さまとともにこの歩みを力強く進めていきたいと考えています。
誰もが旅を通じて人生を豊かにし、地域が自らの魅力を次世代へつないでいく。その実現に向けて、本年も調査・研究、地域振興支援、そして情報発信を一層推進してまいります。2026年が、皆さまにとって創造と挑戦の一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。