外務省は1月11日、イラン情勢の悪化を受け、同国に関する危険情報を更新し、全土を対象に渡航中止勧告を改めて要請した。経済状況の悪化に対する不満を背景とした抗議活動が、首都テヘランをはじめ国内各地で続いており、治安当局との衝突による逮捕者や死傷者が報告されている。
外務省によると、抗議活動は2025年12月28日(現地時間)にテヘランで発生した事案をきっかけに拡大した。当局は破壊行為を伴う暴動への取り締まりを強化しており、今後も情勢が急変する可能性を排除できないとしている。現在、インターネットや国際電話が利用しにくい状況が続くほか、国際線の運航便数も減少している。
これを受け、外務省は、首都テヘランを含む従来レベル2(不要不急の渡航中止)だった地域の危険レベルを3(渡航中止勧告)に引き上げた。これにより、イラン全土が危険レベル3またはレベル4(退避勧告)の対象となった。パキスタン国境地帯やイラクとの国境の一部地域については、引き続きレベル4を維持している。
外務省は、イランへの新規渡航を控えるよう求めるとともに、滞在中の日本人に対しては、商用便の運航状況を確認した上で、可能な場合は出国を検討するよう要請した。やむを得ず滞在を続ける場合には、抗議活動や集会、軍事・核関連施設に近づかないこと、写真や動画の撮影を行わないことなど、厳重な注意を促している。
また、治安情勢の不安定化により、航空便の欠航や遅延、通信障害が発生する可能性があるとして、外務省は複数の情報源から最新情報を継続的に確認するよう呼び掛けた。支援や相談が必要な場合は、在イラン日本国大使館への連絡を求めている。