名古屋マリオットアソシアホテル(名古屋市中村区)は2月3日、恒例のロビー展示「雛のつるし飾り」を2月3日から開始した。15階メインロビーで3月3日まで実施される同展示は今年で16回目を迎え、約1万個の雛飾りが空間を彩る。今回は、町制施行50周年を迎える愛知県大治町のつるし飾りに加え、「日本三大つるし飾り」との共演を実現し、例年以上に華やかな演出を行う。
展示の中心となるのは、高さ3.8メートル、直径5.2メートルの回廊型フレームに約60種類・1万個の雛をつるした大規模装飾。制作を担ったのは大治町の社会教育団体「雅の会」で、総勢55名による手作りの細工物が並ぶ。つるし飾りは江戸時代後期から伝わる伝統工芸で、初節句を迎える娘の健やかな成長や良縁を願う意味が込められている。
今年の見どころは、「日本三大つるし飾り」とされる各地の伝統様式を同時に鑑賞できる点だ。山形県酒田市の「傘福」は傘の骨組みを活用し、赤い布を巡らせた下に縁起物をつり下げる独特の構造が特徴。静岡県東伊豆町の「雛のつるし飾り」は、竹の輪に紅白の布を巻き、5列の赤糸に55個の細工物を連ねることで対の110個が完成する。福岡県柳川市の「さげもん」は、色鮮やかな糸で巻き上げた「柳川まり」と縁起物の雛を組み合わせる華やかさが魅力だ。
装飾に使われる細工物には、フクロウ(不苦労)、鯛(めでタイ)、猿(厄が去る)など、語呂合わせや願掛けに由来する縁起物が多く、来場者は一つひとつに込められた意味を楽しみながら鑑賞できる。干支にちなみ馬の細工も加えられ、季節感と物語性を併せ持つ展示となっている。
期間中は宿泊客に限らず誰でも無料で観覧可能。JR名古屋駅直結という立地の良さもあり、買い物客や観光客が足を止める冬の風物詩として定着している。地域の伝統文化とホテル空間が融合した演出は、都市型ホテルにおける文化発信の一例としても注目を集めそうだ。