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山麓に眠る六つの宝「浅間六彩トレジャーライド」 【前編】軽井沢町・北軽井沢(長野原町)・嬬恋村

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浅間山麓6地域を自転車(e-bike)で結び、街道文化・自然・食・工芸を“物語”として体験する広域観光プロジェクト「浅間六彩トレジャーライド」。軽井沢に集中しがちな観光動線を周辺地域へ広げ、滞在型・体験型観光への転換を目指す取り組みとして注目を集めている。本企画は、専門ガイドの解説と電動アシスト自転車を組み合わせることで、距離や高低差のハードルを下げつつ、地域固有の歴史や暮らしに深く触れる点が特長だ。事業全体の骨子は、浅間山麓6地域を面的に結び、各地に1コースずつ設定した計6ルートを造成するもので、広域連携とストーリー設計による高付加価値観光を掲げている。


■軽井沢町サイクリングコース

歴史と自然、そして“おいしい寄り道”を楽しむ一日

中山道の宿場町として発展した軽井沢は、旧街道の面影と別荘文化、澄んだ高原の空気が共存するエリア。本ルートは総走行距離約20km強と比較的コンパクトながら、緩やかなアップダウンが続くためe-bikeの活用が推奨される。スタートは軽井沢駅。新幹線や在来線でのアクセスに優れ、駅前のレンタサイクル店からすぐに出発できる利便性が魅力だ。軽井沢ルート

道中では森に囲まれた諏訪神社で旅の安全を祈願し、旧中山道・軽井沢銀座では自転車を押し歩きながら街並みと店舗巡りを楽しむ。アップルパイの専門店や老舗ジャム店など、“軽井沢らしい甘味”の立ち寄りが散りばめられている点も本コースの特色だ。さらに雲場池では自転車を降りて水辺を散策。写真愛好家に人気のスポットで、四季の表情が異なる景観が来訪者を魅了する。終盤にはベーカリーや藍染体験、地元食材の直売所など、食とクラフトを織り交ぜながらゴールへ向かう構成で、「走る・味わう・体験する」をバランスよく取り入れた初心者にも優しいコース設計となっている。

ルートマップ:https://www.navitime.co.jp/coursebuilder/course/541ec4c3c81046b29362823a26c8158f


■北軽井沢(長野原町)サイクリングコース

標高1,100mの高原を走る、自然と歴史の旅

軽井沢の北側に広がる北軽井沢は、観光地化が進みすぎていない素朴な高原の魅力を色濃く残す地域。総距離約30km、獲得標高600m超と本格的な登坂を含むため、e-bike利用が前提となるが、その分、視界が開けた草原や林道の爽快感は格別だ。スタートは北軽井沢観光案内所。レンタサイクルの手配や観光情報の入手が可能で、地域の玄関口として機能している。北軽井沢ルート

見どころの一つが旧草軽電鉄北軽井沢駅舎。かつて軽井沢と草津温泉を結んだ電鉄の記憶を今に伝える建築で、国の登録有形文化財にも指定されている。高原の一本道を進んだ先には浅間牧場の広大な景色が広がり、乳製品やバーベキュー、ソーセージ作り体験など、酪農文化を体感できる。さらに、焙煎専門店でのコーヒーブレイク、浅間大滝への徒歩アプローチ、森のカフェでのピッツァと蜂蜜の味わい、観光農園での収穫体験と、自然と食の立ち寄りが連続する。公共交通が限られるエリアだからこそ、自転車による小回りの利く移動が最大の価値となるルートだ。

ルートマップ:https://www.navitime.co.jp/coursebuilder/course/7fa8c0b3ce5a40f88444bb6026d65d1e


■嬬恋村サイクリングコース

高原の暮らしと大地の力を感じる“物語の道”

浅間山の北西に位置する嬬恋村は、火山が生んだ大地とキャベツ畑に代表される農の風景が広がる高原地帯。総距離約32km、獲得標高約680mと6ルートの中でも走り応えのある設定で、e-bikeの活用が前提となる。スタートは嬬恋村観光案内所。レンタサイクルと観光情報の双方を兼ね備え、出発前から地域の味や空気に触れられる拠点だ。嬬恋村ルート

林間の道を抜けて訪れる無量院では、五輪塔が語る土地の記憶と祈りに触れることができ、観光地の喧騒とは異なる静謐な時間が流れる。鬼押出し園では、溶岩が作り出した圧倒的な景観により、浅間山のエネルギーを体感。昼食や休憩には川沿いのカフェや牧場直営の牛乳専門店、地元パン工場など、地域の日常に根ざした立ち寄り先が続く。終盤には鎌原神社で旅の無事を祈り、直売所で地元野菜やスイーツを購入。季節によってはキャベツ収穫体験も可能で、農業と観光が自然に結びついた構成となっている。

ルートマップ:https://www.navitime.co.jp/coursebuilder/course/8b1e51df6f6247a78e8cc36d077dd870


広域連携が生む“点から面”への観光転換

浅間六彩トレジャーライドの最大の意義は、単一地域の周遊にとどまらず、複数自治体が共通の物語と移動手段で結ばれる点にある。軽井沢のブランド力を入口に、北軽井沢や嬬恋へと動線を広げることで、通過型観光から滞在型観光へと質的転換を図る。専門ガイドによる解説、e-bikeによる移動、食と体験の組み合わせは、欧米圏を中心とした自然志向・文化志向の訪日客にも親和性が高い。

本前編で紹介した3ルートはいずれも、「見る」だけでなく「味わう」「祈る」「出会う」体験を織り込み、浅間山麓の魅力を五感で記憶に残す設計となっている。後編では、小諸市、御代田町、東御市の3ルートを紹介し、6地域が描く“六つの彩り”の全体像を追う。

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