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JapanTicketとTravelokaが連携 東南アジアへ販路拡大

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ジャパンチケットホールディングスは4月21日、グループ会社のJapanTicketを通じて、東南アジア最大級のトラベルテックプラットフォーム「Traveloka」とAPI連携を開始した。観光・飲食事業者は「ジャパチケプラス」に登録するだけで、東南アジア6市場・月間アクティブユーザー4000万人超に向けて情報発信・販売を可能に。インバウンド需要の拡大を背景に、販路の一括管理と多市場展開を同時に実現する。

商品情報まで自動連携、海外OTA展開の負担を軽減

今回のAPI連携では、在庫・料金・予約情報に加え、商品名や説明文、画像などのコンテンツ情報まで自動で反映される仕組みを構築した。

従来、海外OTAごとに必要だった登録・翻訳・更新作業が一元化されることで、事業者の運用負担を大幅に軽減。JapanTicketはこれまで272の海外販売チャネルと接続してきたが、Traveloka連携により東南アジア市場へのリーチを一気に拡大する。

東南アジア市場の成長を取り込む

訪日市場では、東南アジアの存在感が急速に高まっている。マレーシアやインドネシアをはじめ、タイ、シンガポール、フィリピンなどで訪日客数は過去最高を更新しており、成長市場としての重要性が増している。

Travelokaはインドネシア、タイ、ベトナム、マレーシア、シンガポール、フィリピンの6カ国で展開し、アプリダウンロード数は1.4億超。現地ユーザーにとって日常的に使われるプラットフォーム上で、日本の体験商品に直接アクセスできる環境が整う。

現地語・現地通貨対応で“即時予約”を実現

Traveloka上では、日本の観光施設チケットや飲食体験、文化体験などが現地語・現地通貨で表示され、予約から決済までオンラインで完結する。事前決済・即時確定に対応することで、無断キャンセルの抑制や受付業務の効率化が期待されるほか、事業者にとっても来店・来場前に売上が確定するため、収益の見通しが立てやすくなる。

ハラール対応を本格強化、ムスリム需要を取り込む

今回の連携では、ハラール対応の強化も重要なポイントとなる。東南アジアにはムスリム人口が多く、日本でも訪日ムスリム旅行者の増加が続いているが、飲食店選びの難しさが課題とされてきた。Travelokaとの連携で、ハラール対応店舗の情報発信と予約導線を整備することで、訪日中の食体験の利便性向上を図る。

ハラール対応焼肉店「肉亭ふたご」では、「現地ユーザーに情報が届きやすくなり、新たな来店機会の創出につながる」と期待を寄せる。

「体験×飲食×予約」の統合モデルへ

ジャパンチケットHDは、インバウンド向けチケット流通の「ジャパチケプラス」に加え、飲食店予約システム「ebica」を展開しており、来店管理や予約データ活用まで含めた運営支援を強みとする。観光体験と飲食予約を組み合わせた販売設計が可能となり、単なるチケット販売にとどまらない「体験価値の設計」へと領域を広げている。

また、相撲や忍者体験といった定番コンテンツに加え、ダルマ絵付けや箸づくりなどローカル文化体験も取り扱っており、東南アジア市場で高まる“日本らしさ”への需要にも対応する。

マルチマーケット戦略でリスク分散へ

訪日市場は為替や国際情勢の影響を受けやすく、特定市場への依存はリスクとなる。今回の連携は、複数市場への同時展開を可能にするマルチマーケット戦略の一環であり、事業者にとっては安定した集客基盤の構築につながる。

インバウンドが量的拡大から質と構造の転換へと進む中、販売チャネルの高度化は、地域事業者の競争力を左右する重要な要素となりつつある。

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