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地方観光局は日本市場の回復を期待!「ランデヴー・アン・フランス2026」

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現地レポート2

フランスの観光資源を国際市場にアピールしたい地方観光局やDMCと、世界中の旅行会社などをつなぐフランス最大の旅行業界向けBtoB見本市「ランデヴー・アン・フランス」が、2026年も3月31日、4月1日の2日間にわたり華やかに開催された。

今年の会場は南仏「プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地方」の中心都市ニース。20年目の記念すべきイベントにふさわしく、主催のフランス観光開発機構の発表によると世界52カ国から総計約1850人もの旅行業界のプロフェッショナルたちが集結した。フランス国外の旅行会社からの参加者は814人で、フランス側の出展企業・団体数もじつに704にも及んだ。

世界中から招待された28人のジャーナリストの1人として参加した筆者が、3回にわたってレポートする。

プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地方は「総合力」をアピール

今回いくつかの地方観光局の局長・部長クラスとのインタビューを行うことができた。彼らからは日本市場の回復に対する期待が多く寄せられた。

まずは今回の「ランデヴー・アン・フランス2026」の開催地である「プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地方観光局」のマーケティング部長であるヤニック・ル・マガデュール氏だ。彼によると他の地域に比べて日本マーケットは回復が遅れ気味だという。「コロナ前と比べてまだマイナス40%です。とはいえ2025年は対前年比プラス36パーセントを記録したので、この調子で行けば2~3年以内にはコロナ前の水準に戻るでしょう」

日本市場には大いに期待していると語るル・マガデュールマーケティング部長

今後日本マーケットに対して積極的にプロモートしていきたい分野は「自転車ツーリズム」など高原や丘陵地帯での「アウトドアアクティビティー」、そして「ガストロノミー」だという。

「われわれの地方はまだまだビーチのイメージが強いです。実際観光客数も沿岸部のコートダジュールが7割で、プロヴァンスやアルプスといった丘陵部や山間部は3割といったところです。でもプロヴァンス・アルプ・コートダジュール地方はじつは面積の約60%が国立公園や自然保護区という大自然が豊かな場所なのです」

確かにこのあたりではビーチリゾートから高原・山岳リゾートまでの距離は近いところで1時間弱。現地のガイドも「春の終わりなど季節にもよりますが、午前中スキーをして午後にはビーチという1日に両方楽しめる世界でも珍しい場所」と胸を張る。

さらに高原・山岳リゾートでは四季を通じて多彩なアクティビティーを楽しめることもセールスポイントだという。「雪の季節はスキーやスノーボードはもちろん、スノーモービル、スノーハイク(雪道ハイク)、スノーシューハイク(かんじきを履いてのハイキング)、氷瀑(凍った滝)でのクライミングが楽しめます。夏場はハイキングだけでなく、ラフティングやパラシュート、パラグライダーなども魅力です」。地上、水上、そして空の上。確かに充実した旅が楽しめそうだ。

踏み込んだ質問にも真剣に答えてくれたことに日本市場への期待が伺える

一方でビーチリゾートはどうだろう。日本のまわりには、ハワイやグアムや東南アジアなどにもさまざまな素晴らしいビーチリゾートがある。それらとの差別化、つまりニースやカンヌなどのコートダジュールでしか味わえない魅力はなにか尋ねてみた。

「ビーチだけでは確かに差別化はむずかしいでしょう」。日本からの所要時間などでもハワイやグアムに比べて不利ではある。「でもここでは先ほどお伝えしたようにビーチだけでなく高原・山岳リゾートも楽しめます。そしてフランスは美食やワインの国です。さらにシャガール、ルノワール、ピカソ、マティスなどの作品を集めた美術館など、文化的なものも楽しめます。そうしてビーチだけではなく、総合的かつさまざまな角度から南フランスの生活や文化を楽しめるのがプロヴァンス・アルプ・コートダジュール地方の魅力です」

オーヴェルニュ・ローヌアルプ地方は夏も冬も多角的な山遊びが魅力

次に話を聞いたのはオーヴェルニュ・ローヌアルプ地方観光局のローラン・コルミエ局長ら。

こちらも踏み込んだ質問に真摯に答えてくれたコルミエ局長(右)とラシェル・グレゴリス 海外プロモーション担当(左)

フランス第2の都市圏であるリヨンで有名な地方だが、今回は2030年の冬季フレンチアルプスオリンピックに関連して、高原・山岳リゾートの魅力について聞いてみた。

「まず冬場のメインアクティビティーはもちろんスキーやスノーボードになります。一つのスキー場にとどまることなく、1枚のスキーパス(リフト券で)で複数のスキーリゾートを行き来できるのはフレンチアルプスならではの醍醐味です」。フレンチアルプスの北部では11月から5月までの半年間スキーが楽しめるばかりか、高地では氷河の上のスキーを夏でも楽しめる。

「ただスキーやスノボ以外にも様々なウィンタースポーツを体験できます。そりすべり、スネークグリス(複数のそりを連結させてすべる遊び)、パラグライダー、パラモーター(パラグライダーの「翼」だけでなく、背中にプロペラとエンジンを背負うことで地上からでも飛び立てる遊び)、スノートライク(三輪のスノーモービル)、電動ファットバイク(車輪幅10センチくらいの雪道でも走れるマウンテンバイク)、スノーハイク(雪の上を歩くハイキング)をしたり、雪上車に乗って山上の小屋にある部屋で泊まって雪山を独占したりという様々なアクティビティーが楽しめます」

つまりスキーやスノボの熱狂的な愛好家以外でも充分魅力的だという。また同じアルプスでもスイスと比べるとさまざまな料金も安いことも魅力だ。

オーヴェルニュ・ローヌアルプ地方でできる冬のアクティビティー。楽しい滞在を予感させる

「夏場もハイキングやトレッキングだけでなく、サイクリングやマウンテンバイク、ヴィア・フェラータ(ワイヤーやハシゴや橋などが設置された岩壁を登るより安全なロッククライミング)、サマースレッジ(山を下るローラーコースター風の遊び)、川でのラフティングやキャニオニング(滝遊び)、ハイドロスピード(一人用ゴムボートにボディーボードのように腹ばいになって川を下る遊び)など様々なアクティビティーが楽しめますよ」

こちらは夏の家族向けアクティビティーの数々

アルプスの魅力はハイキングやスキーだけではない。改めてそう感じた。

オクシタニー地方では日本マーケットの成長を実感

最後に話を聞いたオクシタニー地方はフランスの南西部にあり、スペインと国境を接する。そこにあるピレネー山脈でも「冬はスノーシューイング、犬ぞり。夏はラフティングやキャニオリング(渓谷遊び)などさまざまなアクティビティーが楽しめます」とのことだ。

そして彼らが強調したのは「日本の旅行会社のみなさんは本当に素晴らしいツアーを組んでくれて助かります」ということ。オクシタニー地方全体では対前年比3%、ピレネー山脈エリアでは「具体的な数字はわかりませんが感覚的には25~30%成長していると思います」

ジャンヌ・ブリュ オクシタニー地方観光局観光プロモーションおよびB2B担当ディレクター(左)、アナ・フォンタン オート・ピレネー県観光局セールス担当。二人とも日本の旅行会社のツアー作成力への感謝を何度も口にしていた

次回は「商談会」などの様子を中心にお届けする。

【取材協力】

フランス観光開発機構 www.france.fr/ja

プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地方観光局 www.provence-alpes-cotedazur.com

オーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地方観光局 www.auvergnerhonealpes-tourisme.com/en/

オクシタニー地方観光局 http://www.visit-occitanie.com/en/

オート・ピレネー県観光局 www.pyrenees-trip.com

エールフランス航空 www.airfrance.co.jp

寄稿者(文・写真) 柳沢有紀夫(海外書き人クラブ代表)

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