シンボシ(東京都渋谷区、松尾純弥社長)はこのほど、office FUCHI 〜オフィス・フチ〜(埼玉県さいたま市、渕山知弘代表)と共同で、宿泊施設のバリアフリー環境を360°VRで事前確認できる新サービス「バリアフリー360°VR宿案内」の提供を始めた。アクセシブルツーリズムやユニバーサルツーリズム需要の高まりを背景に、宿泊前の“不安の見える化”を目指す。
同サービスは、宿泊施設の館内や客室を360°VRで撮影し、利用者がスマートフォンやPC、VRゴーグルを通じて自由に視点を動かしながら、段差や通路幅、ベッド高さ、浴室・トイレの使いやすさなどを確認できるもの。
「現地に行って初めて分かった」を減らす
近年、宿泊施設では「バリアフリー対応」を掲げるケースが増えている一方、実際には、「車椅子で通路を通れるか」「ベッドへ移乗できる高さか」「浴室やトイレに十分なスペースがあるか」「スロープや段差はどうなっているか」など、利用者本人が必要とする詳細情報までは十分に伝わっていないケースも多い。
その結果、「現地に行って初めて利用が難しいと分かった」「不安が大きく旅行自体を諦めた」といった課題も生まれていた。
今回のサービスでは、360°VR技術を活用することで、利用者が“自分の目線”で施設環境を確認できるようにした。
通路幅や段差寸法も表示
「バリアフリー360°VR宿案内」では、館内を360°で見渡せるだけでなく、「ドア幅」「通路幅」「ベッド高さ」「段差寸法」などの数値情報もVR画面内に表示できる点が特徴だ。
利用者は、車椅子の回転スペースや導線状況、エレベーター利用可否などを事前に具体的に確認でき、宿泊可能かどうか判断しやすくなる。また、♿マークをタップしなければ通常の宿案内としても利用できるため、一般利用者向けの施設紹介ツールとしても活用可能だという。
宿泊施設のDX・差別化にも
同サービスは、利用者側の安心感向上だけでなく、宿泊施設側にとっても、「バリアフリー情報発信強化」「インバウンド対応」「高齢化社会対応」「ユニバーサルツーリズム推進」などにつながる新たなDX施策として位置付けられる。
近年、観光業界では高齢者や障害者、身体的不安を抱える旅行者への対応強化が課題となっており、アクセシブルツーリズム市場への関心も高まっている。一方で、受入施設側では「どこまで情報を公開すべきか」「写真だけでは伝わらない」といった課題も多く、今回のVR活用は、施設情報の“可視化”を進める取り組みとして注目されそうだ。
観光地や移動導線にも拡大
今後は、宿泊施設だけでなく、「観光地」「温浴施設」「商業施設」「公共施設」「駅から施設までの移動導線」などにも対応範囲を拡大する予定。同社では、「国内外の誰もが安心して移動・宿泊できる社会の実現を目指す」とシンボシ。
今回の制作事例として、群馬県みなかみ町・湯檜曽温泉の「天空の湯 なかや旅館」に導入。車椅子対応客室などを360°VRで事前確認できるようにした。
共同開発したoffice FUCHI 〜オフィス・フチ〜の渕山知弘代表は、大手旅行会社で20年以上ユニバーサルツーリズムに携わった経験を持ち、今回のサービスでは車椅子利用者視点での監修・企画協力を担当している。
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