老後に住みたい場所を選ぶのは、いつの時代も百家争鳴(ひゃくかそうめい)。だれもまだ結論が出ていないテーマかもしれません。唯一その「答え」を知るなら、それはすべての生活が終ったとき。ですが、その時々で傾向があるのも事実です。
最近のコラムによる調査(*1)によると、高齢者の住まい選びは「駅チカ」がトレンドなのだとか。メリットをさらに挙げるなら、ここ最近の駅周辺付近は商業施設や娯楽に限らず、役所の行政サービスや図書館などの文化施設などが集約される地域が増えてきており、それらが徒歩圏内になるのは魅力です。ただ、それは高齢者でなくとも普通に「住みやすい」街とも言えます。高齢者に優しい環境は、イコールで誰もが住みやすいので、住まい探しが競合するのが必至です。
もっとも、便利な環境にある住まいは、おのずと賃貸なら家賃が高くつくものですし、分譲の物件もここ数年の高騰に乗り更に高額になってきています。どうしても、メリットとデメリットが併存するのが住まい選びなのですが、選ぶ「軸」をしっかり定めて住まい選びを進めて行くことだけは譲れません。
挙げるなら3つでしょうか。「出かけたいときに出かけられる」「頼れる人がなるべく短時間で駆け付けられる」「これまでの趣味娯楽が継続できる」になります。
出かけたい時に出かけられるのは、冒頭の駅チカが候補かもしれませんが、人によっては徒歩圏内にすべてまとまっていたり、頼れる人は必ずしも家族ではなく、介護サービスの担当者や、後見を担当される方であってもよいでしょう。また、趣味は習い事やスポーツ、コンサートや映画・演劇などの鑑賞かもしれません。
人生の断捨離は「モノ」に限りません。これまでの生活の中から、最後まで残したいことを日々選びながら暮らしていくことでもあります。その選択が新しい「老後の住まい」を選ぶ決め手になるのかもしれません。
*1 小西マリア「carview」(2026.7.9)
https://carview.yahoo.co.jp/news/detail/9ba65abe6251f1a0f3b708c955ba3835b72065af
寄稿者 猪股透人(いのまた・はやと)シーキューブ㈱ https://c-cube.life/