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「地域ブランド」とは何か、作り方は

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そもそもブランドとは

 ブランドとは、分かりやすい日本語に言い換えると、信頼の証である「のれん」といえます。のれんは、店名などを記して軒先にかける布ですが、「のれんに傷が付く」という言葉にもあるように、お店の格式や信用を表すものとなっています。つまり、ブランドは「のれん」のようにお客様や取引先、そして従業員にとっても信頼の証となります。

 ブランドには、「変化してはいけない部分」と「変化する部分」の2つが存在します。「変化してはいけない部分」とは、つまり「定義」や「コンセプト」のことであり、これがなくなると信頼を失ってしまいます。一方で、「変化する部分」とは、時代に合わせて提供する商品・サービスの「価値」などを指しています。

 日本茶を例に挙げると、伝統や製法、素材など「定義」の部分はそのままに、ニーズに沿ったペットボトル入りのお茶を作る、「のれん」を活かしながらブランドカの向上を図るという取り組みなどが考えられます。ブランドのコンセプトを守りつつ、時代に合わせてブランド価値を常に上げていくことが重要です。

地域ブランドとは

 「地域ブランド」とは、商品の品質をはじめ、他の地域にない独自性、こだわり、地域自体に感じる魅力、歴史・文化などさまざまな要素を活かしたものです。その地域ならではの「モノ」や「コト」を活用することで、他の地域ではまねできない“真に強いブランド”になることができます。

 地域ブランド化に取り組むことにより、農産物や加工品などの地域の商品が売れ、産業振興や雇用創出につながります。その過程で地域の知名度やイメージの向上が期待され、地域の活性化にもつながります。 また、地域ブランド化の取り組みにより、地域を背景に「モノ」や「コト」の価値を生み出し、信頼を作り上げることで、地域そのものの価値の上昇が図られます。

 つまり、地域ブランド化によって商品・サービスの価値が高まり、高く売れるようになるだけではなく、教育や福祉、文化、自然環境・景観など、さまざまなものの価値の向上を図る有効な手段となり得ます。そのため、地域ブランド化は「持続可能な地域づくり」の核となります。

地域ブランドの作り方

 地域ブランドは地域活性化のため、また持続的な地域づくりのために地域全体で育てていくべきものです。したがって、地域ブランドを考える上では、行政や支援機関、地元企業など、地域の関係者間の合意形成が重要となります。

 第2回以降では、地域ブランドを知的財産権として保護する「地域団体商標制度」についても御紹介しますが、関係者間の合意形成ができていないと、地域団体商標を登録できなかったり、登録を取り消されてしまったりするなどのリスクもあります。

合意形成しておくべきポイントは、例えば以下の点です。

✓ 地域ブランドのコンセプト、目指すべき方向性はどうするか?

✓ 地域ブランドの保護はどうするのか?何を目的に保護するのか?

✓ 地域団体商標として保護するのか?通常の商標として保護するのか?

✓ 関係者以外にブランドを使用している者がいる場合はどうするのか?

 さて、第2回は、「地域ブランドを保護する地域団体商標制度とは」についてお話します。

★さらに詳しく知りたい方はこちら!

特許庁発行「地域団体商標ガイドブック~地域ブランド10の成功物語~」

 地域団体商標制度を活用している団体の最新事例を「地域ブランド10の成功物語」として紹介しています。「地域ブランド化とは何か」「地域ブランドの意義と作り方」「地域団体商標としての権利化の方法」などを掲載しており、地域ブランド振興に取り組む方に最適な一冊になっています。

特許庁発行「地域団体商標ガイドブック~地域ブランド10の成功物語~」
特許庁発行「地域団体商標ガイドブック~地域ブランド10の成功物語~」

寄稿者 特許庁 商標課地域ブランド推進室

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