学び・つながる観光産業メディア

観光庁と外務省、日本旅行業協会、官民一体で日本人の海外旅行を後押し

コメント

 観光庁と外務省、一般社団法人日本旅行業協会(JATA)は、官民を挙げて日本人の海外旅行を推進するための「もっと! 海外へ宣言」を発信した。2024年のインバウンドが過去最高となるなか、日本人の出国者数は回復しているとはいえ、コロナ禍前の年間約2000万人には及ばず1300万人程度にとどまっているためだ。

(上記の写真は左からJATAの髙橋広行会長、観光庁の祓川直也長官、外務省の岩本桂一領事局長)

 具体的には3月24日から、外務省がオンラインでも可能な新しいパスポート「2025年旅券」の申請受付を始めた。このほか日本旅行業協会では会員旅行会社と航空、空港会社と連携し、海外旅行の費用面の負担軽減策を講じる。海外の政府観光局にも協力をもとめ、海外の観光情報を得やすくにする。また、外務省は海外渡航者がより安全に安心して旅行、滞在できるよう現地の安全情報の提供の充実を図ることにしている。

海外を巡って得る体験 国際感覚が磨かれ異文化の相互理解も

 海外旅行は旅先でしか味わえない現地の人々との交流や、そこにしかない風景街並みなど貴重な体験を与えてくれるものだ。このような経験は、特に、若者の国際感覚の向上や異文化の総合理解を深めることに役立つものだ。

 24日に行われた共同記者会見で、観光庁の祓川直也長官は、「日本人の海外旅行、アウトバウンドはインバウンドと並ぶ両輪として推進したい。日本人のパスポート保有率は増加していない。知らぬ間にパスポートが失効しているケースもある。いずれにしても、海外に行く予定がないのにパスポートの申請はしないいだろう。海外に行ってみたいと思う機運を醸成したい」と、抱負を明かした。

 外務省の岩本桂一領事局長は、海外旅行の意義、効用についてこう述べた。「パスポートの保有率はコロナ禍前の24%前後から約17%に減っている。コロナの影響も大きいと思う。引き続き様々な工夫をしてパスポートの保有率を高めたい。外交を担う担当として、外国の実情を肌で知ることは、視野が広がり国際競争力も高まるからだ」

JATA「新パスポート取得サポートキャンペーン」、総額2億円の費用軽減

 一方、民間事業者の立場からJATAの髙橋広行会長は、JATAが展開する海外旅行拡大プロジェクト「もっと!海外へ」を開始し、会員各社や関係団体とともに業界一丸となって、海外旅行の回復に取り組んでいくと力説した。

JATAキャンペーン  もっと!!海外へ。専用サイトも開設 https://jata-motsutokaigai.com/

 JATAのプロジェクト、「新パスポート取得サポートキャンペーン」と称し、会員旅行会社36社、空港会社6社が総額2億円相当の旅行費用軽減を図ることにしている。

 具体的には、新パスポート取得した人が海外旅行に行く場合、それぞれの旅行社が割引や次回旅行時に使えるポイント付与などお得感を出すことを狙っている。1人あたり、10,000円前後の金銭価値に相当し、パスポートの取得を後押しする形で、海外旅行が増えるのではと期待している。

 また、JATA海外旅行アンバサダーにアーティストで俳優の岩田剛典さんを起用し、旅行需要の喚起を図っていく。

新パスポートは偽造、変造対策を強化 オンライン申請も開始

 一方、「2025年旅券」と銘打った新パスポートは、3月24日の申請受理文から偽造、変造対策を大幅に強化した。これまでは都道府県の旅券事務所などが旅券を作成・交付していたものを国立印刷局で集中的に作成し、都道府県に配送する。顔写真ページがプラスチック基材に変更され、りレーザーで印字・因果されるためより、偽造や変造ができにくいという。

 ただ、これまで日本国内では申請から交付までの期間が2週間程度に伸びることから、早めの申請を呼びかけている。また、オンライン申請も取り入れられ、旅券取得に際しては受け取りの際、一度だけ窓口に行けば済むうえ、戸籍謄本の原本の提出も不要となる。さらにオンライン申請では窓口申請より手数料が安くなる。10年用の手数料は原稿1万6000円がオンラインでは1万5900円と100円安くなる。窓口では1万6300円。5年用は現行1万1000円がオンライン1万900円、1万1300円となる。

/
/

会員登録をして記事にコメントをしてみましょう

おすすめ記事

/
/
/
/