ヤマト運輸は、大阪・関西万博でインバウンドを含む多くの来訪が見込まれる関西エリアで、旅行者を手荷物から解放することで快適な旅行を支援する。関西エリアでの「手ぶら観光」サービスの拡充で、列車やバスなどで手荷物の占有による、オーバーツーリズムの解消にもつなげる。
空港や宿泊施設、観光導線上にある営業所などを拠点として、手荷物当日配送サービスを提供する。旅行者が買い物や観光を楽しんでいる間に、空港から宿泊先へ、あるいは宿泊先から次の目的地へと荷物を配送することで、移動時の快適さを提供する。
また、駅や空港に設けられたカウンターでは、手荷物の一時預かりも行っており、公共交通機関や宿泊施設における混雑緩和やスタッフの業務負担を軽減する。
異なる言語による手荷物受け付けをスムーズにするため、2024年10月からは「簡易伝票発行ツール」の提供も開始した。専用のウェブサイト(44カ国語対応)上であらかじめ作成した送り状の二次元コードを、受付で読み取るだけで発送手続きが完了する仕組みで、日本語での記入が難しかった外国人旅行者にとっても利用しやすくなっている。
すでに導入している宿泊施設からは、「外国人の宅急便対応がスムーズになった」といった声も上がっているという。
関西エリアでは、3月末現在、ヤマト運輸営業所17カ所に加え、京都駅の「京なび」や「コトチカ」などの観光施設、22カ所のホテルがサービスの提供拠点となっている。さらに、10月までの万博開催期間中は、「阪急ツーリストセンター大阪・梅田」「Osaka Metro本町駅」「伊丹空港」などにもサービスを広げる。
また、4月13日から10月13日までの万博期間中、会場内に多言語対応の宅配・手荷物一時預かりカウンターを設置する。スタッフによる外国語対応に加え、25カ国語に対応した自動翻訳機や、外国語話者や聴覚障がい者も安心して利用できる「コミュニケーションボード」も導入し、誰もが快適にサービスを利用できる環境を整える。こうした取り組みは、万博後に全国展開することにしている。