朝日を浴びて、平戸港から一隻のフェリーが航く。その姿は、黒々と黄金色の水面とシンクロして、モノクロ写真を見るような懐かしさを感じた。
平戸島は、国内20番目に大きな島。1977年に平戸大橋が開通するまでは、船で渡ることが唯一の輸送手段だった。そして、このフェリーは、対岸の田平と的山大島(あづちおおしま)を結ぶものだ。まだまだ、船が離島間の輸送手段の主流となっている。島国である日本は14,125の島で構成される。そして、有人島は418と言われる。
旅行業界において、離島観光は集客の可能性が高いものとされてきた。そして、本土と橋でつながると橋自体が観光地にもなる。また、船旅の情緒は、鉄道や航空機にはない匂いを感じる。
朝活は、三文の徳
長崎県は島の数が日本一、971の島を保有する。夕陽の名所も数多く、「長崎サンセットロード協議会」という組織も存在する。しかし、島側から見る朝日も乙なものだ。
昨今、ナイトタイムエコノミーと呼ばれる夜の観光がもてはやされている。しかし、旅先で見る朝の風景は、その土地に泊まらねば見れない。夜活も素晴らしいが、朝活観光は、これからの最上コンテンツに育つ可能性を秘めている。「早起きは三文の徳」と言うように・・・。
(2015.10.29.撮影)
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取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長